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NSC発行「Safety + Health」2003年11月号

ニュース

NSC、第91回年次会議&展示会で主要なイニシアチブを発表

 全米安全評議会(National Safety Council: NSC)は、9月8〜11日、シカゴ市で開催した第91回年次会議&展示会では、一大展示会を切り盛りする以上のことをした。NSCは、米国の職場や家庭での安全衛生問題を進展させようと、官民パートナーと共同で取り組む新しいイニシアチブを開始した。

法廷テレビとの番組制作
 NSCは、法廷テレビ(CourtTV、本社:ニューヨーク市)と、家庭や路上での家族の安全を推進する、一連のプログラムを共同制作する。NSCのアラン・C・マクミラン会長兼最高経営責任者(Alan C. McMillan, President and CEO)と法廷テレビのヘンリー・シュライフ会長兼最高経営責任者(Henry Schleiff, Chairman and CEO)は、この活動で、法廷テレビの複数の番組や公益アウトリーチ活動と、NSCの会員企業や組織の知識、調査能力や広大なネットワークとを結合すると述べた。
 「NSCとのこのすばらしいパートナーシップにより、全米8千万の家庭をカバーする法廷テレビの配信力と、NSCの名高い専門知識や見解とを結集して、この取り組みを進展させる」とシュライフ氏。
 「法廷テレビのような強力な放送局との提携で、NSCは、何百万もの家庭へ重要な情報を伝達するという、枢要な機会を手にする」と、マクミラン氏も付け加えた。

エクソンモービルと安全顕彰パートナーシップ
 NSCは、エクソンモービル社(ExxonMobil、本社:ヒューストン市)と百万ドルの5ヵ年プログラムでパートナーシップを締結、安全衛生や環境活動で優れた業績を顕彰するグローバルリーダーシップ賞(global leadership award)を創設する。プログラムの資金は、エクソンモービル基金が提供する。
 グローバルリーダーシップ賞は、安全衛生、環境活動を重んじていることを示し、安全衛生や環境活動である程度の成果を上げると、これが生産性、収益性その他の業績にどう関連するかを示した企業を顕彰する。
 「この賞で、優良事例からどう学び、安全衛生・環境活動や全体的な業績を改善するために、最先端のシステムや慣行をどう採用するか、世界の経営者が学べるようにしたい」とマクミラン氏。
 「エクソンモービルは、安全活動においてエネルギー産業の先頭を切っており、安全衛生や環境へ最高水準の注意を払うという企業責任が、他方面での業績に貢献し、反映すると考えている」とエクソンモービル社のリー・レイモンド会長(Lee Raymond, chairman)は述べた。「この企業責任があればこそ、エクソンモービルは、NSCと共にグローバル賞を創設し、世界中の企業が、同業者のなかから抜きん出、他の企業から範と仰がれるようになる機会を提供する」。

OSHA, MSHAとのパートナーシップ
 NSCは、労働安全衛生庁(Occupational Safety and Health: OSHA)と鉱山安全衛生庁(Mine Safety and Health Administration: MSHA)とパートナーシップを提携する旨、協定書に調印した。
 「われわれは、これまでもNSCとのすばらしい協力関係を享受してきた」と、OSHAのジョン・ヘンショー長官(John Henshaw, administrator)は、調印するにあたり、こう述べた。「車の衝突事故を減らす、職場で応急手当訓練を提供する、安全衛生管理システムプログラムを提供するなどといった重要な課題について、これまで以上に緊密に共同して取り組むにつれ、われわれの関係は、このたびのパートナーシップでいっそう強固なものとなる」とヘンショー長官。
 OSHAとNSCは共同で、労働安全衛生情報やガイダンス、訓練資源へのアクセスを提供する。パートナーシップで取り組む応急手当訓練の一部として、心肺蘇生法と自動体外式除細動器に焦点を当てる。
 MSHAのデイブ・ローリスキー長官(Dave Lauriski, administrator)は、NSCとのパートナーシップを称えた。
 「鉱業は、史上最も安全な2年間を達成したばかりである。今回のパートナーシップで、MSHAとNSCは、鉱業界の隅々にわたり安全が最優先されるよう、毎日の就労後に、一人でも多くの鉱山労働者が安全に家に帰るよう、共同して取り組む」とローリスキー長官は述べた。「今回のパートナーシップは、鉱業の安全衛生プログラムを開発することを目的とした、的を絞った関係を築く」。
 協定により、MSHAとNSCは、鉱業を対象とした安全衛生アウトリーチ活動へのNSC鉱業鉱物資源部の関与を増やし、イベントや会議での技術講習を開発・実施し、米国の鉱業・鉱物業に関する正確な統計情報を提供できるよう、共同で手だてを探る。
 また、協定では、「Stay Out - Stay Alive(立ち入るな、死ぬな)」のパートナーシップで、提携したMSHAとNSCとの既存の関係を強化する。これは、作業中あるいは廃業した鉱坑内やその周辺で遊ぶ危険性について、若年者やその両親を教育する。MSHAが調整役を務めるこのパートナーシップには、現在およそ90の団体が加盟している。

 NSCのアラン・C・マックミラン会長兼最高経営責任者(左)は、OSHAのジョン・ヘンショー長官(右)が、両者間の協定書に署名するのを見守る。