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NSC発行「Safety + Health」2003年12月号

産業特集

鉱業

報告:ケンタッキーの鉱山での死亡災害は、大麻が原因

 ワシントン − 鉱山安全衛生庁(Mine Safety Health Administration: MSHA)の調査チームは、10月23日発表の報告書で、6月のケンタッキー州の地下炭鉱で労働者1名が死亡した事故を検証した結果、炭鉱内での大麻使用が死亡原因の一つであることを突き止めた。
 調査チームは、21歳の鉱山労働者が死亡、他の2名が負傷したケンタッキー州マックドウエル(McDowell, KY)近郊のコーディ・マイニング社(Cody Mining Co. Inc.)の第1炭鉱での爆発事故について、多数の違反を摘発した。調査チームは、連邦法遵守の「不当な不履行」と見なされる6件の違反を含む7件の重大違反が、事故の原因となったと指摘した。また、事故の原因ではないものの、64件の鉱山安全規則違反で、同社を召喚した。
 MSHAのデイブ・ローリスキー長官(Dave Lauriski, administrator)は、事故のあった炭鉱は、この道30年余で見てきたなかでも、「安全に関しては、もっともずさんに管理、操業された炭鉱」の一つであると述べた。ローリスキ−長官は、当該炭鉱を担当する当局の監督官の側にも「許しがたい不手際」があると判断し、目下適切な措置を講じていると述べた。
 報告書によれば、現場では、多量の大麻が発見された。9月の別件では、ケンタッキー州鉱山規制当局は、地下炭鉱への抜き打ち臨検で、鉱山労働者1名の大麻所持を発見したと述べた。連邦法、ケンタッキー州法とも、地下炭鉱での喫煙を禁じ、アルコールや薬物の使用も禁じているが、連邦監督官、州監督官とも、鉱山労働者に対する薬物テストの権限を持ってはいない。