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NSC発行「Safety + Health」2003年12月号
ニュース
労組、金属加工用液体をめぐり、労働省を提訴
デトロイト − 2労働組合は、新しい金属加工用液体基準をめぐる10年間もの請願運動の末、真剣勝負に挑むことを決定した。全米自動車労組(United
Auto Workers: UAW)と全米鉄鋼労組(United Steelworkers of America)は、連邦第3巡回控訴院(U.S.
Court of Appeals of the Third Circuit)で、エレイン・チャオ労働長官(Elain
Chao, Labor Secretary)を訴え、控訴院に対し、金属加工用液体の職業性許容暴露限界の引き下げを労働安全衛生庁(Occupational
Safety and Health Administration: OSHA)に強制するよう、要請している。 労組が提訴に踏みきったのは、「OSHAは、アメリカの労働者を保護するという責任をちっとも果たさなかったからである」と、全米自動車労組のロン・ゲテルフィンガー会長(Ron
Gettelfinger,
President)。 「われわれがOSHAに要求しているのは、職務を果たして、アメリカの労働者の安全衛生を守るよう、必要な措置を講じるということである」と、全米鉄鋼労働者組合のリオ・ジェラード会長(Leo
Gerard,
President)も言う。
労組によると、年間100万人以上もの労働者が、金属加工用液体に暴露している。金属加工用液体は、自動車、農業機械、飛行機その他の金属製品の製造に広く使われている。これらの液体から吸入したミストは、喘息その他の呼吸器疾患を引き起こす可能性があり、長期の暴露は、慢性的で時には死に至ることもある肺の損傷を引き起こすこともある。 現行のOSHA基準は、1日8時間の労働で、油を主成分とした金属加工用液体には、1M3当たり5mgを超えた濃度のものに暴露してはならないとしている。しかし、1998年、国立労働安全衛生研究所(National
Institute for Occupational Safety and Health:
NIOSH)は、5mg基準は、依然として労働者を深刻な健康リスクにさらしていると判断し、閾値を1M3当たり0.5mgまで引き下げるよう勧告しており、労組側は、これを指摘した。 全米自動車労組が、金属加工用液体の暴露限界を引き下げるよう、OSHAに初めて請願したのは、1993年。同じ年、OSHAは、この種の液体の規制を優先課題と定め、金属加工用液体基準諮問委員会(Metalworking
Fluids Standards Advisory
Committee)を設置した。1999年には、委員会の過半数は、OSHAに対し、NIOSHの暴露限界を採用するよう勧告した。しかし、2001年、OSHAは、半期規制計画表(semi-annual
regulatory agenda)から金属加工用液体基準を取り下げた。
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