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NSC発行「Safety + Health」2003年12月号

産業特集

公益事業

自治体連合、大気浄化法改正をめぐり、EPAを提訴


 ワシントン − 環境保護局(EPA)は、公益企業が、新しい排出制御装置を設置することなく旧式の石炭発電所や精油所を改良できるよう、大気浄化法(Clean Air Act)を緩和したが、これを受けて、12州、コロンビア特別区および東部の2市からなる連合体は、EPAを提訴した。
 訴訟の争点は、大気浄化法へのいわゆる「全面的変更」を行う権限は、議会だけが有するかどうかである。自治体連合は、コネチカット(Conneticut)、メイン(Maine)、メリーランド(Maryland)、マサチュ−セッツ(Massachusetts)、ニューハンプシャー(New Hampshire)、ニューメキシコ(New Mexico)、ニュージャージー(New Jersey)、ニューヨーク(New York)、ペンシルバニア(Pennsylvania)、ロードアイランド(Rhode Island)、バーモント(Vermont)、ウィスコンシン(Wisconsin)の諸州およびワシントン(Washington)、ニューヨーク(New York)、ニューヘイブン(New Haven、コネチカット州)の3市からなる。これらの大半は、自州・都市が、他州の石炭発電所からの汚染物質が風で運ばれて被害を被っており、大気浄化法規則が緩和されると、大気保全基準の達成努力をそがれると主張する。
 同規則は、8月27日に署名されたが、10月27日付けの官報(Federal Register)に公示されて最終規則となった。EPAは、「この規則が、排気に際立った変化をもたらすとは思わない」と述べ、最終規則は「大気浄化法の規定する公衆衛生の保護を堅持するものである」と述べた。
 今回の改正は、公益企業に対し、旧式の設備を拡張または改良する際には、高価な最新技術の汚染防止装置への投資と検査を受けることを義務付ける、大気浄化法の「新公害発生源の検討(New Source Review)」条項を修正するものである。