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NSC発行「Safety + Health」2004年1月号
ニュース
カナダ、企業の安全不履行に刑事責任
オタワ(Ottawa) − カナダ議会は、カナダの企業に対し、安全履行の刑事責任を負わせるとした法案C-45を可決した。この法律は、この種のものとしては、北米初である。
新法は、労働災害の予防を怠った企業や個人に対し、刑事責任を問うよう、カナダの刑法を修正する。また、取締役、役員その他の企業の意思決定者についても、責任を問う。新法は、以下の項目をもとに、企業に刑事責任を負わせる。
- 毎日の職場の仕事を監督する者の行為。必ずしも取締役や役員とは限らない。
- 組織の利益のために故意に罪を犯す、あるいは、従業員に罪を犯すよう命じるといった、執行権または操業権を有する役員の行為。
- 従業員の法律違反行為を知りえた、執行権または操業権を有する役員の不作為。
- 役員その他の従業員全体による配慮不足で、刑事上の過失をもたらす行為。
C-45法案全文は、カナダ議会のウェブサイト、www.parl.gc.ca/37/2/parlbus/chambus/house/bills/government/C-45/C-45_3/C-45_cover-E.htmlで閲覧できる。
労働長官、監督行政は「成功」と自讃
ワシントン − 労働省(Department of Labor)は、2002年11月18日、年次労働監督統計を刊行、エレイン・チャオ労働長官(Elaine
Chao, Labor Secretary)は、当局の労働者保護アプローチが記録破りの結果をもたらしたことがデータに表れていると述べた。
チャオ長官によると、アメリカの労働者はこれまで以上に業務上安全であると、数字をいくつか挙げた。
- 労働安全衛生庁(Occupational Safety and Health Administration: OSHA)は、2003年度には83,760件の法律違反で事業者を召喚した。これは、2002年度の8%増である。
- 召喚した法律違反のうち、6万件は「重大違反」であり、これは、2002年度の11%増である。
- 労働死傷災害率は、2002年度に最低値を記録した。
チャオ長官は、労働省は、OSHAを通じて、もっとも悪質な事業者を重点的に監督する、事業者に対し法遵守を支援するツール(手段)を提供するといった、2本立てのアプローチで、よりよく労働者を保護することができたと述べた。
長官は、鉱山安全も改善されたと述べた。全米の鉱山での死亡災害は、2003年度は14%減り、傷害災害は15%減ったと述べた。
事実チェック
2001年の業務上傷害の5大原因 |
傷害の原因 |
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費 用 |
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総費用に占める割合 |
力の入れ過ぎ
(過度の持ち上げ、押す、引く) |
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125億ドル |
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27.3% |
転倒 |
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57億ドル |
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12.6% |
動作の反動 無理な動作
(曲げる、登る、滑る) |
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47億ドル |
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10.2% |
墜落・転落 |
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41億ドル |
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9.0% |
飛来・落下、激突され |
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39億ドル |
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8.6% |
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出 所:Liberty Mutual、“Workplace Safety Index”、2003 |
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OSHA、呼吸器保護基準に関し、公聴会を予定
ワシントン − 労働安全衛生庁(Occupational Safety and Health Administration:
OSHA)は、1月28日、ワシントン市で、呼吸器保護基準(Respiratory Protection
Standard)に新たに指定保護等級(assigned protection factors: APFs)を盛り込む、使用限界濃度(maximum
use concentrations: MUCs)を扱うといった、当局の修正案に関し、非公式の公聴会を開く。
2002年6月6日、OSHAは、労働者や事業者が呼吸用保護具を正しく選択する一助として、全面的呼吸器保護プログラムの一部に指定保護等級を盛り込んで、現行基準を修正する旨、通知書を発行した。指定保護等級とは、全面的呼吸器保護プログラムの一環として従業員が着用する際、支給される呼吸器保護具に求められる職場の呼吸用保護水準を示す数字である。
修正案には、指定保護等級表に関するOSHAの仮決定や、指定保護等級や使用限界濃度の定義、OSHAのいくつかの特定物質関連基準にある指定保護等級の必要基準に取って代わる修正案が含まれている。公聴会は、一般公開で、労働省ビルの講堂で開催される。
労働者の体の痛みは、企業の頭痛の種
シカゴ(Chicago) − 新しく発表された調査は、体のあちこちの痛みは、労働力人口によく見受けられる労働不能を引きおこす健康状態で、生産性の損失を招くと結論した。こうした損失は、アメリカの産業界にとって、年間612億ドルもの負担となっていると推計している。
痛みは、
頭痛の場合、週当たり3.5時間の損失※。
腰痛および関節炎の場合、週当たり5.2時間の損失※。
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※数字は、生産性損失の平均値を表す。
出 所:The Journal of the American Medical Association、2003
調査では、米国の働く成人28,902人を無作為抽出して、調べた。調査対象の13%は、一般的な痛みにより、生産時間を損失した経験があると述べ、週当たり平均5時間の損失を報告した。この損失時間の大半(76.6%)は、休業ではなく、生産力の低下であることが判明した。
報告されたなかでもっとも多かったのは、頭痛で、これに腰痛、関節炎の痛みが続く。調査は、アメリカ医学協会ジャーナル(The
Journal of the American Medical Association)(Vol. 290, No.18)に掲載された。
毎年、ユナイティッド・ヘルス・ファウンデーション(United Health Foundation)は、労働災害死亡率、自動車衝突事故による死者数、喫煙率、公衆保健医療への援助などといった観点から、50州の総合的な衛生水準を格付ける。2003年度の結果は、以下のとおり。
もっとも健康な州 |
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もっとも不健康な州 |
1. |
ミネソタ(Minnesota) |
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46. |
サウスカロライナ(South Carolina) |
2. |
ニューハンプシャー(New Hampshire) |
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47. |
アーカンソー(Arkansas) |
3. |
ユタ(Utah) |
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48. |
テネシー(Tennessee) |
4. |
バーモント(Vermont) |
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49. |
ルイジアナ(Louisiana) |
5. |
マサチューセッツ(Massachusetts) |
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50. |
ミシシッピ(Mississippi) |
出 所:United Health Foundation、2003 |
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反復作業は、骨の損傷を招く
フィラデルフィア(Philadelphia) − 反復労働作業は、手根管など業務関連の筋骨格系障害の危険因子であるが、これが骨の損傷を招く恐れもあると、テンプル大学(Temple
University)の新しい調査は指摘する。
調査チームは、繰り返し手を伸ばし、つかむ作業を課したラットの行動を分析した。その結果、作業を開始してからわずか3〜6週間後には、骨の組織が損傷し始めることを発見した。これまで、科学者らは、手根管症候群などの障害は、もっと時間がたってから発症すると考えていた。
この所見から、障害が発症するかなり初期の段階で手を打つと、損傷の悪化を防ぐことができるのではないかと、調査の主筆、アン・バー(Ann
Barr)氏は説明する。調査報告書は、骨・鉱物調査ジャーナル(Journal of Bone
and Mineral Research)(Vol. 18, No.11)に掲載された。
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あなたのご意見は? |
緊急避難
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あなたの会社では、緊急避難訓練をどの程度頻繁に行っていますか。 |
年1回 |
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32% |
年2回 |
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27% |
四半期毎 |
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18% |
毎月 |
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14% |
したことがない |
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9% |
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「あなたのご意見は?(What's Your Opinion?)」欄では、読者の意見を定期的にサンプリング。質問は、2週間毎に更新します。www.nsc.orgで、「会員専用」ウェブサイトを開くと、最新の質問が載っています。結果は、本誌で毎月紹介します。 |
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OSHA、下院小委員会で世界貿易センター跡地での役割を自賛
ニューヨーク − 労働安全衛生庁(OSHA)の職員は、OSHAは、2001年9月11日の対米テロによる世界貿易センター倒壊後、見事に労働者を保護したと、議会で証言した。
10月28日、OSHAのパトリシア・K・クラーク地域行政官(Patricia K. Clark, Regional Administrator)は、下院行政改革委員会(House Committee on Government Reform)の下部組織、国家安全保障・新興脅威・国際関係小委員会(Subcommittee on National Security, Emerging Threats, and International Relations)で証言、「世界貿易センターでの救助・復旧作業は、非常に危険なものだったにもかかわらず、ひとりとして死亡者は出さなかった」ことを当局は誇りに思うと述べた。
ニューヨーク市を含むOSHA第2地域担当の地域行政官であるクラーク氏は、救助・復旧作業に携わる労働者は、通常の産業場面で働くのではなく、現場は、典型的な建設、解体プロジェクトとは違うということが、当局にははっきりしてきたと述べた。現場の作業員らは、「範囲も程度もとうてい予測不可能な」危険からただちに保護されなければならなかったと同氏。
OSHAの主たる任務は、個人単位の大気暴露を監視して、暴露内容を把握する、呼吸用保護具やその他の個人用保護具を配布、適合させる、安全モニタリングを実施することであったと、クラーク行政官は小委員会で述べた。同氏によれば、復旧・清掃段階では、OSHAは、1,050人もの職員を投入、職員らは10ヶ月間、時間にして12万時間以上、現場にとどまった。
クラーク氏によると、OSHAは、2001年9月〜2002年6月の間、2万4千強もの個人サンプルを分析して、労働者の汚染物質への暴露を数量化した。復旧段階では、OSHAは、9千強の危険を特定、雇用主にこれらを是正させた。清掃作業に費やした370万延労働時間のうち、重傷はわずかに57件報告されたと、クラーク氏は述べた。
速 報
労働安全衛生庁(OSHA)は、採血後の汚れた注射針や採血管ケースの処分について、当局の方針を説明した安全衛生情報公報(Safety
and Health Information Bulletin)を発行した。「使い捨ての採血管ケースは、工学的管理、労働慣行管理のもとに使用すれば、注射針事故を防ぐ最高水準の保護装置である」と、当局のジョン・ヘンショー長官(John
Henshaw, administrator)は述べた。
クレーン・デリック協議型規則作成委員会(Crane and Derrick Negotiated Rulemaking
Committee)は、1月5〜7日、ラスベガス(Las Vegas)市で公開会議を開く。委員会は、これまでの会合で協議した問題について、資料案を検討し、新たな問題にも取り組む。
環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は、11月18日付けの官報(Federal Register)で、低レベル放射性廃棄物、有害廃棄物と低レベル放射性廃棄物の混合、及びその他の低放射性廃棄物に関する規則作成案を予告した。これらの物質の「管理と処分に関する統合した枠組み」に向けたいくつかのアプローチについて、EPAは、コメントを募集している。コメントは、3月17日締め切り。
疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)は、2003年11月14日、初の「CDC事情(State of CDC)」報告を発行した。報告書は、2003会計年度のセンターの優先課題、業績、及び努力目標について、国立労働安全衛生研究所(National
Institute for Occupational Safety and Health: NIOSH)の主要な成果も含めて、詳述している。職場や救急隊員を化学物質、生物学的要因、放射線、及び核の危害から守る緊急事態対策についてのNIOSHの論文や、世界貿易センター跡地で救助・復旧作業に携わった労働者やボランティアの健康診断に対するNIOSHの資金協力についても、詳述されている。
エクソンモービル(ExxonMobil)社は、全米安全評議会(National Safety Council: NSC)のロバート・W・キャンベル賞(Robert
W. Campbell Award)のスポンサーに参加した。同賞は、安全衛生や環境をビジネスの基本価値として保持し、これらを生産性や収益性の向上と結びつけた組織体を顕彰する。同賞は、安全の草分け、ロバート・W・キャンベルNSC初代会長を記念して、その名を冠した。詳細は、www.Campbellaward.orgを参照のこと。
労働省(Department of Labor)は、セルビア(Serbia)に対し、同国の労働安全衛生の改善を支援するため、50万ドルの補助金を供与する。このプロジェクトは、同省の国際協力プログラムの一環である。エレイン・チャオ労働長官は、補助金は、「相手国政府が、この任務を遂行するのを助成する」と述べた。セルビアのゾラン・ジンジッチ(Zoran
Djinjic)前首相は、同国の労働災害の多発を理由に、労働監督局の全面的な再編を命令していた。
全米安全評議会(NSC)は、2004年度の安全緑十字賞のメダル(Green Cross
for Safety Medal)を、ダイムラー・クライスラー(株)(DaimlerChrysler Corp.)のクライスラー・グループ(Chrysler Group)に授与することを決定した。クライスラー・グループは、自動車の安全刷新、公共安全イニシアチブの支援と後援、及び従業員の安全衛生におけるリーダーシップが評価され、同賞を授与される。授賞式は、3月25日、Hyatt
Regency on Canptol Hill(ワシントン市)での寄付金調達目的の晩餐会で行われる。
全米安全評議会(NSC)の会員の方は、「速報」で、重大な安全関連ニュースを週単位で閲覧することができます。これらの記事は、本誌編集部が作成、毎週eメールで会員に送付し、最新情報を提供しています。会員の方で、この無料サービスをご希望される場合、または会員資格を得られたい方は、NSCのウェブサイト、www.nsc.orgをご参照ください。
OSHA、ニューヨーク市、移民労働者問題で協力
ニューヨーク − 労働安全衛生庁(OSHA)のニューヨーク市事務所は、ニューヨーク市検死局(New
York City Office of the Chief Medical Examiner)と同盟(alliance)を結び、移民労働者や若年労働者の死亡災害防止に向けた文化の醸成や、優良慣行・技術的知識の共有をめざす。
2003年11月3日に発表されたこの同盟は、労働死亡災害の報告を事業者が怠らないように徹底すること、被災者が死亡前に二次的に病院などといった施設に収容された場合はなおさら、これを徹底することをめざす。
移民労働者は、概してもっとも危険な産業に就職することが多く、OSHAによれば、ニューヨーク市の多数の移民労働者の間では、毎年、労働死亡災害が多発している。当局は、こうした死亡災害の多くを、事業者は、法的義務があるにもかかわらず、OSHAに報告していないと指摘。ニューヨーク市検死局は、報告のない死亡災害の原因を調査し、裁定する。
OSHAと検死官は、労働安全衛生の推進に向けて、とくに建設業の大規模災害関連の問題をめぐり、双方の知識や情報を活用する。また、調査手続きでは、互いに情報を交換する。
ワシントン州民発案、エルゴ規則撤回で、知事、労組に打撃
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オリンピア(Olympia) − ワシントン州の有権者は、この11月、議会や多数の訴訟でも成しえなかったことをやってのけた。米国唯一のエルゴノミクス規則を無効化したのである。
州民発案841(Initiative 841)は、同州のエルゴノミクス規則を無効にし、併せて、連邦基準による義務付けがない限り、今後の職場のエルゴノミクス規制を封じるものである。州民発案を発起したのは、エルゴノミクス規則を職への脅威だと主張した同州の建築産業協会(Building and Industry Association)である。
州民発案の成立は、エルゴノミクス規則制定を後押ししたゲイリー・ロック州知事(Gary
Locke, Governor)政権にとっては、大打撃である。
ロック知事は、2003年11月5日の記者会見で、「(規則の撤回に)落胆したが、今後とも労働安全を強調していくつもりである」と報道陣に述べた。「われわれは今後とも、教育、アウトリーチ活動や実演プロジェクトを駆使して、経費のかからない、いたって単純な優良事例を事業者に紹介していくつもりである」。
これに激しい反対運動を展開した労組にとっても打撃であった。
ワシントン州のエルゴノミクス規則は、2004年7月に発効する予定であった。これは、連邦OSHAやノースカロライナ(North Carolina)州が公布したエルゴ基準が2000年に消滅して以来、米国唯一のエルゴ関連規則であった。
建築産業協会のエリン・シャノン広報部長(Erin Shannon, public relations director)は、エルゴ規則撤回運動は、同協会が先鋒を務めたとはいえ、ワシントン州内の全産業が支持したものであることを明言した。
「産業界は、この点では結束した」とシャノン氏。このような意見の一致は、州内では稀で、通常は、大企業と小企業の利害は合致しない、とも付け加えた。しかし、エルゴ規則の「制約的な性質」は、州内のあらゆるレベルで競争力を脅かすと、同氏。
州民発案841は、州民投票で53%の支持を得たが、有権者がこの意味を完全に理解していたかどうかは疑わしい。11月6日付けのシアトルポスト・インテリジェンサー(Seattle Post-Intelligencer)紙に掲載された調査は、シアトル(Seattle)市のあるキング郡(King County)の有権者400人を対象に実施されたものだが、これによると、有権者の大半は、州民発案とその目的について、知らされていないか、誤った情報を得ていたことが判明した。調査対象の39%は、州民発案841の効果をわかっておらず、8%は、規則を無効化するのではなく、成立させるものだと考えていた。
「みかけの票差からすると、もしこの8%が、州規模で間違いを犯したとすれば、誤解を解くだけでも、州民投票の命運は違ったことだろう」と記事は記す。
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ASSE、労働者のカビ暴露基準を開発中
イリノイ州デプレーンズ(Des Plaines, IL) − 米国安全技術者協会(American
Society of Safety Engineers: ASSE)は、カビの除去を行う時の労働者の保護を目的とした基準を開発中。これは、事業者が従業員のカビ暴露を最小限に抑えるための最低限の要件と勧奨手順の確立をめざす。
「カビは、大きな安全衛生・環境問題になっているとASSEは確信する」と、学会の見解声明は述べる。ゆえに「監督当局からの、あまねく受け入れられる基準」が必要である。
ASSEの見解声明は、オンライン、www.asse.org/prac_spec_cops_issues.htmで閲覧できる。
夜勤労働者は、深刻な健康問題に直面
マサチューセッツ州レキシントン(Lexington, MA) − 夜勤が、寿命を縮めることから、睡眠不足を引き起こすことまでなど、深刻な障害を招くことは、いくつもの調査が指摘してきた。サーカディアン・テクノロジ−ズ社(Circadian
Technologies Inc.)は、24/7勤務体制(1日24時間/週7日操業)の夕方及び夜間勤務の労働者は、一般人集団に比べて高い率で、胃腸障害、心臓血管疾病、及び睡眠障害を患っていることを突き止めたという調査がある。
夜間勤務の労働者は、タバコ、カフェインその他の刺激物を、昼間の労働者より多く消費しがちで、喫煙率は2倍強となっている。夜勤は、家族にもしわ寄せをもたらす。固定した夜勤の夫婦は、離婚、別居しやすいと、調査は報告する。
「深夜早朝勤務者の間で広まっている健康問題を減らす対策を採れば、将来の保健医療費を抑制したい事業者には、大きな収益があるだろう」とサーカディアン社の医師で、調査報告書の主著、アケイシア・アギラ(Acacia
Aguirre)氏は述べた。
アギラ氏によれば、企業の従業員支援プログラムの1ドルで、災害率や労働移動率、欠勤率が低下し、16ドル節約できる。
サーカディアン社によると、「深夜早朝勤務者(extended hours employees)」は、米国労働力人口の18%強を占める。深夜早朝勤務は、午前7時〜午後7時以外の時間に勤務することの多い従来型のブルーカラーや、保健医療、技術、顧客サービス、小売業、メディアの分野で働く人々に多い。
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