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NSC発行「Safety + Health」2004年4月号
産業特集
調査報告書:ヒスパニック系建設労働者は、死亡災害の危険性大
ニュージャージー州ホーボーケン(Hoboken) − アメリカン産業医学ジャーナル(American Journal of Industrial Medicine)1月号(Vol.45, No. 1)に掲載された調査によると、1992〜2000年の間、ヒスパニック系建設労働者は、非ヒスパニック系労働者のおよそ2倍の確率で、労働死亡災害に遭った。
「2000年には、ヒスパニック系建設労働者は、建設労働者の16%足らずを占めるに過ぎなかったが、死亡災害の23.5%を占めている」と調査チームは述べた。
調査は、建設業に従事するヒスパニック系労働者数は、1990年の8.5%から2000年には15%へ急増したと指摘。これらのヒスパニック系建設労働者の3分の1は、スペイン語しか話せないと報告している。
「これは、建設現場特有の意思伝達、職場の風土、作業編成や、究極的には職場の安全面で、大きな変化として表れている」と調査チーム。
報告書は、建設業への従事者が増大するにつれ、労災死亡者数も増大すると記す。1992年の建設業の死亡者数のうち、11.2%はヒスパニック系労働者であった。この比率は、2000年には23.5%に上昇した。調査ではまた、ヒスパニック系労働者は、非ヒスパニック系より大きなリスクにさらされていることが判明した。ヒスパニック系労働者の死亡災害の37%は、墜落・転落であった。
調査の詳細は、www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/jissue/106571863を開かれたい。
OSHA、6月までにVPP拡大を発表する予定
イリノイ州ローズモント(Rosemont) − 労働安全衛生庁(OSHA)のジョン・ヘンショー長官は、第14回年次建設安全会議・展示会(14th Annual Construction Safety Conference and Exposition)での演説で、当局は、建設業の幅広い分野を対象とした自主的保護プログラム(Voluntary Protection Program: VPP)実施計画を6月までに発表すると述べた。
ヘンショー長官は、関連の手続きは官報(Federal Register)で発表すると述べた。
OSHAの自主的保護プログラムは、事業者や労働者の優れた実績を公に表彰することで、職場に根ざした安全衛生を効果的に促進しようと企画されたものである。自主的保護プログラムでは、事業者、労働者、OSHAが協力関係を築き、包括的な安全衛生管理システムを実施する。現在、自主的保護プログラムでスター資格(star status)を獲得できるのは、所在地の定まっている建設企業のみとなっている。自主的保護プログラムの詳細は、www.osha.gov/dcsp/vpp/index.htmlで参照可。
事実チェック
米国の産業別非意図的業務上傷害(2002年) |
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出 所:National Safety Council(NSC), "InjuryFacts" 2003年 |
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MSHA、安全で1910年来の最良記録
バージニア州アーリントン − 鉱山安全衛生庁(Mine Safety and Health Administration: MSHA)が発表した暫定値によると、2003年の鉱業の死亡者数は、1910年に統計を開始して以来の最低値を記録した。
2003年の鉱業関連の死亡者数は、2002年の18%減であった。労災死亡者数は55人、ちなみに2002年は67人であった。鉱業の死亡者数は、3年連続で減少した。
「3年間の着実な向上は、われわれの励みである。しかし、毎労働日に鉱山労働者全員が安全に帰宅するまでは、われわれは満足することはない」と、MSHAのデイブ・ローリスキー長官(Dave
Lauriski, administrator)は述べた。
全米の金属・非金属鉱業部門の死亡者数は、2002年の40人から2003年の26人に減少した。炭鉱部門の死亡者数は、2002年の27人に対し、2003年は29人であった。
鉱業の炭鉱部門の死亡者数は、12月にはゼロを記録したが、これは、1910年以来初の快挙である。12月の死亡者数は、全鉱業部門を合わせても、2002年の6人から2003年の1人に減少したが、これは、当局が、鉱山労働者に対し、冬季の気象やこれが職場にもたらす危険性について注意を促す安全アウトリーチ・キャンペーンを継続したことが背景にある。炭鉱の天盤からの墜落・転落関連の死亡は、以前は死亡原因の筆頭であったが、2003年には2人に減少した。
MSHAは、鉱業死亡者数データを、50州、バージン諸島、プエルト・リコから収集した。死亡統計は、www.msha.gov/stats/charts/chartshome.htmで閲覧可。
OSHA、商業潜水基準を改正
ワシントン− 労働安全衛生庁(OSHA)の商業潜水作業基準(Commercial Diving Operations standard)の改正で、娯楽ダイビングの指導員やダイビング・ガイドは、潜水現場での減圧室に代わる手段を利用できるようになった。
OSHAによると、今回の改正により、これらのダイバーは、一定の条件下で、減圧室の代わりにニトロクス(nitrox)呼吸用ガスを使用できるようになった。この改正で、自給式水中呼吸装置を使って、水深130フィート以内で潜水する娯楽ダイバーが影響を受ける。
改正基準は、2月17日付けの官報(Federal Register)に発表された。
安全技術者協会、女性利益団体創設
イリノイ州デプレーンズ − 米国安全技術者協会(American Society of Safety
Engineers: ASSE)はこの度、安全技術にたずさわる女性の共通利益団体、Women
in Safety Engineering(WISE)に関する共通利益団体を創設した。知識を発展させ、労働安全衛生・環境分野の女性専門職の能力を増強し、情報交換の機会を増やすのをめざす。
WISEには、創設以来、安全技術者協会の会員300余名が加盟した。会員を対象とした最近の調査によれば、女性安全専門家の主要論題は、家庭と仕事の両立、ジェンダー間の意思伝達や、職場での信用の獲得である。WISEは、職業メンタリング(助言指導)プログラムや、キャリア管理に関し、女性安全専門家を支援する文献リストを開発する。WISEはまた、安全資格を求める女性を支援する。WISEは、安全技術者協会がラスベガス市で6月7〜10日に開催する年次専門職業開発会議(Professional
Development Conference)で、討論会を開催する。
WISEの詳細については、www.asse.org/wiseを開かれたい。
機関車の警笛規則に関するコメント期間延長
ワシントン − 連邦鉄道庁(Federal Railroad Administration: FRA)は、2月12日、幹線道路と鉄道の交差点における機関車の警笛使用に関する暫定最終規則(Interim Final Rule on the Use of Locomotive Horns at Highway-Rail Crossings)について、一般市民からのコメント募集期間を4月19日まで延長すると発表した。暫定最終規則は、12月18日付けの官報(Federal Register)に発表された。
本規則により、地方自治体は、全米15万ヵ所以上もの幹線道路‐鉄道交差点に、静寂区域を指定する初の機会を得る。詳細は、www.fra.dot.govを参照のこと。
調査報告:航空機内の空気の質については、さらに調査が必要
内の汚染物質に暴露する搭乗員や乗客の健康被害を見極めるには、さらに調査をする必要がある。
「航空安全:航空機内の搭乗者に対する空気の質の影響について、さらに調査が必要(Aviation
Safety: More Research Needed on the Effects of Air Quality on Airliner
Cabin Occupants)」(GAO-04-54)と題した報告書は、連邦航空局(Federal Aviation
Administration: FAA)の行動計画は、航空機内の空気の質に関する2001年の全米調査委員会(National
Research Council)の勧告すべてに十分対応するものではないと結論した。会計検査院の懸念事項は、以下のとおり。
- FAAは、乗客・搭乗員の健康上の症状について関連を探る監視・調査プログラムの考案に役立つ詳細な計画を今後開発せねばならない。
- FAAの調査プログラムには、目標達成のために十分な数や範囲の機種及び便数が含まれていない。
- 当局の調査プログラムは、航空業界とあまりにも強く結びついているため、必要な客観的妥当性や独立性を確保できていない。
- 当局のウェブサイトで関連の衛生情報を入手しようにも、リンクを検索するのが難しい。
会計検査院は、FAAに対し、数々の調査・監視勧告を提示している。例えば、航空機の換気・公衆衛生に関する専門家委員会を任命する、民間航空機で機内の空気を再循環させる換気システムに、効率の高い微粒子ろ過フィルターの使用を義務づけた場合の費用便益を評価するなどである。報告書は、オンラインwww.gao.gov/daybook/040210.htmで閲覧できる。
トラック・列車のアイドリングに新しい排気ガイドライン
ワシントン − 環境保護局(Environmental Protection Agency: EPA)は、アイドリングするトラック・列車の排気削減技術の採用を奨励する二つのガイダンスを発表した。
第1のガイダンスを用いることで、州・地方当局は、粒子状物質や地上オゾンに関する全米大気質基準を満たすにあたり、排気の削減がどう寄与するかを示すことができるようになる。第二のガイダンスは、当局の新公害発生源再検討(New
Source Review)条項で許可するプログラム要件を満たすのに、これらの排気削減をどう活用できるかを説明している。これは、www.epa.gov/ttn/oarpgで閲覧可。
当局のアイドリング対策プログラムは、www.epa.gov/smartwayで閲覧できる。
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