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NSC発行「Safety + Health」2004年4月号
ニュース
調査:喫煙停止プログラムは、賃金労働者階級を対象にすべし
ボストン − 職場の喫煙停止プログラムを推進させるのに、お困りの方はいないだろうか。最近の調査によれば、プログラムの障害物は、個人的なものではなく、職業性である。
調査は、喫煙停止活動の成果をだれが享受するか、これを決定づける上で、個人の職業は「明確かつ重要な要因」であると指摘する。
デイナ‐ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)の調査チームは、2000年度の全米健康インタビュー調査(2000 National Health Interview Survey)のデータを用いて、白人、黒人とも、ブルーカラーやサービス職種も含む賃金労働者階級、非監督職にある人々や、教育水準の低い、低所得層の人々の喫煙率がもっとも高いことを突き止めた。どの群でも、男性のほうが女性より喫煙する傾向にあった。
「この所見は、喫煙停止プログラムの優先課題を設定する際には、人種/民族性、ジェンダー、教育、所得とともに職業階級を考慮せねばならないことを強調するものである」と、調査の主筆、エリザベス・バーボー(Elizabeth
Barbeau)氏は述べた。
また、調査チームは、監督職や専門職の人々や、教育水準の高い高所得層の人々は、社会経済力の少ない人々に比べ、喫煙をやめやすいことを見いだした。これは、喫煙停止プログラムは、賃金労働者階級を標的にしてよりよく働きかけていくべきだということを意味すると、バーボー氏は述べた。
こうした活動は、的をどう絞っていけばよいのだろうか。やはりデイナ‐ファーバー癌研究所が実施した姉妹編の調査は、喫煙停止プログラムを高次の労働安全衛生活動に統合させるのが鍵であると指摘する。
この調査では、製造業の15の工場から集めた労働者を二群に分けた。一つは、喫煙停止や食事指導などといった健康促進活動を提供するグループ、もうひとつは、こうした健康促進活動を労働安全活動と組み合わせたグループである。2年後、労働安全活動と組み合わせグループのブルーカラー労働者が喫煙を止めた率は、他方のグループの2倍にも達し、ホワイトカラー労働者の喫煙停止率とほぼ同程度となった。
この結果のひとつの解釈としては、ブルーカラー労働者は、喫煙よりも業務関連の危害のほうが、健康への脅威として受け止めるということが考えられる。したがって、喫煙停止と労働安全活動を組み合わせると、この両方に対して行動をとるよう、労働者を動機づけるのではないかと、主筆のグロリアン・ソレンセン(Glorian Sorensen)氏はいう。調査はまた、「企業の管理職は、労働者の健康に対する関心を共に分かち、労働者が健康な生活を送れるよう、支援する役目を進んで負うのが道理であると示唆する」ものであると、ソレンセン氏は記す。
二調査とも、アメリカ公衆衛生ジャーナル(American Journal of Public Health)(Vol. 94, No. 2)に掲載された。
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