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NSC発行「Safety + Health」2004年5月号

産業特集


 製造業

半導体工業会、業界内の労働衛生を調査

ワシントン − 米国半導体工業会(Semiconductor Industry Association)は、米国チップ産業のウェーハ製造工が、業界内の他の労働者よりガン罹病率が高いかどうかを見極めるため、過去にさかのぼって調査する計画を発表した。
 1999年、同協会は、労働衛生の専門家からなる独立した調査員団に対し、半導体製造業の労働者は、ガンになる危険性が高いかどうか、評価を委託した。調査員団は、ガンの危険性については確証を得られなかったものの、チップ製造業での疫学的調査を検討するよう勧告した。協会は、熟考の末、調査を完結するのに充分な病歴データがそろったと判断し、現在、企画段階に進もうとしている。
 この調査計画は、半導体業界に蔓延する化学安全問題を企業が故意に看過したとして、従業員が企業を提訴する訴訟数件が進行するなか、発表された。
 ナショナル・セミコンダクター(株)(National Semiconductor Corp.)の元従業員らは、さまざまな疾病を理由に、カリフォルニア州裁判所で同社を提訴している。2月には、IBMが、カリフォルニア州のコンピューターハードディスク装置工場での雇用がガンを引き起こしたとして、元従業員2名が起こした訴訟に勝訴した。3月には、IBMは、ニューヨーク州のマイクロチップ工場での化学物質への暴露が、女児の先天性異常の原因であると訴えた元従業員と、法廷によらずに和解した。