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NSC発行「Safety + Health」2004年5月号

ニュース


OSHA、HazComイニシアチブを開始。エンジ議員、上院公聴会を開催

ワシントン − 労働安全衛生庁(Occupational Safety and Health Administration: OSHA)は、化学物質等安全データシート(MSDS)要件に改定が必要かどうか再検討し、3月16日、職場でのハザード・コミュニケーション(hazard communication: HazCom)の質を高めることを目指したイニシアチブを開始した。
 イニシアチブは、ガイダンス、教育および警戒、法の執行に照準を絞る。鍵となる柱は遵法支援であると、OSHAはいう。当局は、ウェブサイト上にHazCom情報源を整理統合したページを設け、サイト上の一点からアクセスできるようにした。
 ウェブサイトでは、コメントの一般公募に向け、HazCom問題に関する資料草案も閲覧できるようにした。このなかの一部を紹介する。
  • 危険・有害性決定ガイド(Hazard Determination Guidanceは、化学物質製造業者や輸入業者に対し、正しい情報を特定し、これを評価して、適切に危険・有害性を決定するのを支援する。
  • 模擬訓練プログラム(Model Training Programは、従業員訓練プログラム開発のためのガイダンスを示す。
  • MSDS作成のためのガイダンス(Guidance for Preparation of MSDSs)は、MSDSの正確さとわかりやすさを扱っており、包含すべき情報源を提案している。OSHAは、先の二資料のコメント期間終了後に、本ガイダンスを掲示する。
 OSHAは、マイク・エンジ上院議員(Mike Enzi、共和党、ワイオミング州)が、OSHAのMSDS規制を改善するよう求めて、議会公聴会を開いた1週間程前に、HazComイニシアチブを立ち上げた。エンジ議員は、OSHAを監督する上院雇用・安全・訓練小委員会(Senate Employment, Safety and Training Subcommittee)の委員長を務める。
 3月25日の公聴会は、化学物質の危険・有害性に対し、労働者が職場で享受している保護策や、危険状況への対処についてMSDSから得られる情報に関し、証言を引き出すのが狙い。化学メーカーは概して、「工場の現場ではなく、裁判所や研究所を意識して」MSDSを作成すると、エンジ議員はいう。緊急時には、労働者は、複雑な技術専門用語だらけのページをあちこちめくるだけのゆとりはないと、エンジ議員は述べた。