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労働災害報告のための10の手順
Take 10 steps to report workplace incidents
資料出所:National Safety Council (NSC)発行
「Safety+Health」2004年6月号p.40
(仮訳 国際安全衛生センター)
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多くの企業では、安全教育訓練及び安全管理は人事労務部門にその責任が与えられている。"安全文化"を樹立することは、企業内に十分安全を理解推進する安全専門部門が無い企業では、人事労務専門家にとって大変役立つことになる。
まず、ハザードを特定し、分析を行ったとする。そして、ハザードを削減、あるいは低減するための管理対策を実施したとする。しかし事故が未だに発生するのはどうしてなのか。
まず、第1に行う手順は、事故を調査することであるが、何故そうなのだろうか。それは、事故を調査する際には、ハザードの原因を明らかにして、いかに修正するかを決定することができるからである。このような調査が後ろ向きであると思われる一方、調査結果に基づいて取られる改善対策は、同種事故の再発を防止するという前向きなものである。
事故には色々な型があり、その全ては調査されなければならない。
例えば、ニアミス事故は傷害や損害には至らないが、警告サインとして心に留められるべきものである。もし改善的対策が取られない場合、その事故は傷害や損害が発生するまで、再度発生する可能性がある。この他の事故としては、傷害を伴うもの、財産損害を伴うもの、機器や製品の損害を伴うもの、あるいは死亡や届出が必要な傷害を伴う災害等がある。
事故に対応する方法
NSCによると、事故調査に際して10の基本的な手順がある。
1. 緊急対策
負傷した労働者に必要な医療処置が施されるまでの間、救急措置を直ちに行うこと。
2. 事故発生区域の保存
事故発生区域は、ロープやテープを張らなければならないこと。関係した機器類は停止させ、人が近づけないように(ロックアウト)しなければならないこと。これは、調査のため全ての証拠を保全すると同時に、再発事故を防ぐことになる。
3. 目撃者の特定
関係した人々、あるいはこの事故に関連する事すべてについて、見たり、聞いたりしたと思われる人々をリストアップすること。
4. 必要な事故調査用ツールの用意
このツールには、カメラ、ビデオ、テープレコーダー、照明、バリケードマーカー、テープ、タグ類、南京錠等があること。
5. 証拠及び記録データの保存
現場状況は見たままに記録されることが必要であり、証拠は集められ、あるいは記録されなければならないこと。
6. インタビューの実施
この事故に関係した人々、あるいは目撃者にインタビューすること。
7. 各種データの見直し
事故の型あるいは傾向に注目しながら、監督報告書、メンテナンス報告書、過去の事故報告書や分析を検証すること。
8. 調査報告書の準備
文字で書かれた報告書には、集められた事実、インタビュー、データ等を全て記載すること。
9. 原因の特定
ハザードを削減、改善することにより、今後の事故防止対策を行うこと。
10. フォローアップ
危険な状況が改善されたかどうかについてフォローアップ調査を実施すること。
事故の直後は、その現場は混乱状態になることが多い。同僚、監督者、管理者等全ての人々は、救助活動を実施しようとする。事故後に発生する錯乱を無くし、混乱状態をコントロールするためには、ここに記した10の手順を組みこんだ計画を立てることが大切である。全ての労働者は、必ず、この計画と各自の役割について知らされなければならない。
以上は、新刊書「Beyond Worker's Comp - A Human Resources Guide To Building
Safety Into Your Organization 」(NSC Press 発行)からの抜粋である。この本の注文は、Tel:
(800) 621-7619 まで。
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