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感電防止用ヘルメット
The right hard hat prevents electrical shock

資料出所:National Safety Council (NSC)発行
「Safety+Health」2004年6月号p.46
(仮訳 国際安全衛生センター)



Q:ヘルメット使用にあたり、考慮しなければならない要因には、衝撃防止の他にどのようなものがあるか。

回答者:クリスティン・Z・ファルゴ(Cristine Z. Fargo)
国際安全器具協会(International Safety Equipment Association) 技術プロジェクト・コーディネーター、(バージニア州アーリントン市)


A:ヘルメットの主たる目的は、落下物から頭部を保護することである。しかし多くの作業は、電気等多くのハザードが存在している職場環境下で行われる。1997年にANSI Z89.1「工業労働者用頭部保護具規定(American National Standard for Industrial Head Protection)」が見直され、衝撃及び電気安全に対する新しい分類が定められた。 
 頭上、あるいは側面からの衝撃防止に加えて、ユーザーは、種々のヘルメットの電気安全階級について注意しなければならなくなった。ANSI Z89.1標準は、電気安全の3つのレベルについて定義している。

C級ヘルメット−伝導性(Conductive)があるもので、電気抵抗について検定されたものでないため、導電体防護機能が無いものをいう。このヘルメットはある程度の衝撃防止強度は必要だが、電気的ハザードにたいする防止が必要でない作業区域で着用されるものである。

 G級ヘルメット−最も一般的(General)なヘルメットで、2,200ボルトの電圧に耐えるように検定されたもので、低電圧の導電体接触による危険を低減するために着用される。この級のヘルメットは、建設業や製造業で一般的に使用されているものである。

 E級ヘルメット−電気安全用(Electrical)のヘルメットとしては、高圧導電体による災害防止用のものがある。このヘルメットは、2万ボルトで耐電圧テストされていて、通常、絶縁体で作られている。又、E級の要件を満たすヘルメットは、G級及びC級の基準をも満たしている。E級ヘルメットは、主に電気事業関連業界で使用されているものである。

 ヘルメットの耐電圧テストの電圧は、必ずしもヘルメット着用者を保護する最高電圧ではないことを認識すること。防護できる最高電圧は、電気回路の性質及びその付属関係機器、機器のメンテナンス状態並びに天候等多くの要因によって決まる。設備装置の電気的防護システムに関係無く、労働者は常に電気配線との接触を避けなければならない。
 ユーザーは、頭部防護のためのヘルメットに絶対、加工等変更を加えてはならない。その理由は、目的とした電気安全機能が損なわれかねないからである。ユーザーが種々の反射テープ、金属ホイルラベル、金属ホイル熱スタンプといった、金属製マーカーをヘルメットに貼付するような場合には、ヘルメットメーカーの専門的意見を求めなければならない。G級、あるいはE級要件に適合するヘルメットシェルに使用される各種の目印マーカーは、シェルに穴を空けないように、かつ金属部品を使用しないようにして貼付しなければならない。
 ANZI Z89.1標準は、www.safetyequipment.org のISEAから利用可能である。

編集者注
この記事内容は、NSCの意見ではなく、著者の考えであること。