NSC発行「Safety + Health」2004年7月号
産業特集
アリゾナ州シエラ・ビスタ(Sierra Vista) - ハザード・インフォメーション・ファウンデーション社(Hazard Information
Foundation Inc.)の調査によると、クレーン労働者の送電線接触による死傷事故は、労働者が送電線からの安全な距離を目測で判断する能力を欠いていることと、「業界の怠慢および製造者の無関心」が原因である。
調査は、移動式クレーンや自走式高所作業車を含めたブーム式装置に注目し、送電線接触で毎年百名以上の死傷者がでるのはなぜかを分析した。調査チームは、クレーンの積荷を誘導する労働者が最高に危険であり、71%が死傷事故に見舞われることを突き止めた。
調査では、労働者がクレーンの安全な距離感を把握できないことも判明した。現行の連邦労働安全基準では、クレーンは、送電線から最低10フィート離れて操作されなければならない。今回の調査結果に基づき、ハザード・インフォメーション・ファウンデーション社は、危険ゾーンを少なくとも送電線の両側15フィートに拡大するよう勧告している。現在、協議型規則作成委員会(negotiated rulemaking committee)は、OSHAの委託を受けて、建設業のクレーン基準を改正中である。
報告書では、送電線の危険を減らすための34項目にわたるガイドラインを提示している。報告書、「移動式クレーンおよび他のブーム式装置による送電線接触に関する危険管理への安全提言(Safety Interventions to Control Hazards Related to Powerline Contact by Mobile Cranes and Other Boomed Equipment)」の詳細は、www.hazardinfo.comで閲覧できる。
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