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NSC発行「Safety + Health」2004年7月号

ニュース


速 報

 国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health: NIOSH)、労働災害データ図本2004年版の刊行前の版をウェブサイトに掲載した。この4年間で初の改訂版である。「労働衛生図本2004年版(Worker Health Chartbook 2004)」は、政府機関や団体、事業者、研究者、労働者その他労働データに関心のある人々のために、情報を提供することを意図したものである。図本は、www.cdc.gov/niosh/docs/chartbookで閲覧できる。表形式でデータを登録したディスケットは、電話(800)365-4674で求めることができる。

 環境保護局(Environmental Protection Agency: EPA)のマイク・リービット長官(Mike Leavitt, Administrator)は先日、当局のクリーンエア・ノンロードディーゼル規則(Clean Air Nonroad Diesel Rule)に署名した。本規則は、2004年大気浄化規則(Clean Air Rules of 2004)のもと、先月発表した一連の方策の一部である。オフロードディーゼル規則は、建設業、農業その他の産業で用いられているノンロードディーゼルエンジンからの汚染排気物質を減らし、他方でディーゼル燃料に含まれる硫黄の除去を義務づける。オフロードディーゼルエンジンの硫黄の含有量は、2007年までに、3,400ppmから500ppmへと減らし、幹線道路を走行するディーゼルエンジンの基準に倣う。本規則を発表するにあたり、EPAは、公衆衛生や環境面の利益は、40対1の割合で、低公害性ディーゼル燃料の開発費用を上回ると述べた。

 疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)の調査チームとニューヨーク市衛生担当官らは、世界貿易センターの災害現場への到着時刻および暴露時間が、呼吸器の症状や肺機能の重要な予測の判断材料となることを突き止めた。Chest誌2004年4月号(Vol. 125、No. 4)に掲載された調査では、世界貿易センターに最初の48時間に出動した消防士は、3日目から7日目に救援活動に参加した消防士に比べ、呼吸器の病状や肺機能の低下が大きいことが判明した。

 分解されにくい12の有機汚染物質の製造・取引を禁じる国際協定が、5月17日発効した。「今後数年間で、国内投資や、数億ドルを確約した寄付団体からの資金5億ドル強を待ちに待った緊急性の高いイニシアチブに投入し、未来の世代が、われわれのように無視できない量の有害化学物質を体内に蓄積することのないよう、徹底する」と、国連環境計画(United Nations’ Environment Program)のクラウス・トッファー事務局長(Klaus Toepfer, executive director)は述べた。国際協定の対象となっている12の有機汚染物質は、アルドリン(aldrin)、クロルデン(chlordane)、DDT、ジエルドリン(dieldrin)、エンドリン(endrin)、ヘプタクロル(heptachlor)、ミレックス(mirex)、トクサフェン(toxaphene)、ポリ塩化ビフェニル(polichlorinated biphenols)、ヘキサクロロベンゼン(hexachlorobenzene)、ダイオキシン(dioxins)、フラン(furan)である。

 鉱山安全衛生庁(Mine Safety and Health Administration: MSHA)は5月11日、「鉱山安全の一分間公報(Mine Safety Minutes)」第4巻の刊行を発表した。これは、デイブ・D・ローリスキー長官(Dave D. Lauriski, administrator)が、鉱山労働者や事業者に対し、業務上の危害およびその回避について注意を促す1分間公報を収録したものである。ローリスキー長官は、鉱山地域のラジオ放送局に対し、域内の労働者のために「鉱山安全の一分間公報」を放送するよう訴えている。MSHAによると、第4巻は、可動式機材のリスクについて論じており、こうした機材の絡んだ事故では、2003年の鉱山災害の死亡者数のおよそ3分の1が死亡したが、どうして死亡事故に至ったのかを考察している。

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