このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
|
 |
 |
|
NSC発行「Safety + Health」2004年9月号
NIOSH:アスベスト、使用停止後も長期にわたり死者を出す |
|
ワシントン −国立労働安全衛生研究所(NIOSH)の最新の調査によると、じん肺(鉱物性粉じんの吸入により引き起こされる職業病)による死亡者総数は、過去30年間で大幅に減ったものの、その中の1つの類似の疾病である石綿症については、死亡者数が増加している。
調査では、1968〜2000年のじん肺による死亡者数を検証、1968〜1981年間と1982〜2000年間とで比較した。調査チームは、石綿症による死亡率は、男性の場合、1968年の77人から2000年の1,493人へと、400%増加したことを見いだした。アスベストは、第2次世界大戦中・戦後で大量に使用されたが、1980年代以降使用量は激減したにもかかわらず、死亡者数増が見られたと、調査は指摘する。
調査チームは、この増加の理由を、石綿症による死亡は、アスベストへの職業性暴露の初期から40〜45年後にピークを迎えるからだと説明した。この潜伏期間を考慮すると、「石綿症関連の死亡者数は、少なくとも向こう10年間は増えると予想される」と調査は記す。「いくつかの職場でまだ使われている、または建物内に残存するアスベスト含有製品は、潜在的なリスクを提示している」。
じん肺のその他の種類による死亡者数は、同時期に減少していると、調査は指摘する。男性の場合、石炭労働者のじん肺による死亡率は36%、珪肺および不特定・その他のじん肺による死亡率は約70%減少した。
調査チームは、じん肺の撲滅に向けて「かなり進展」が見られたものの、「こうした疾病を撲滅する努力は続けられねばならない」と結論した。
調査は、「週間罹患率・死亡率報告(Morbidity and Mortality Weekly Report, Vol. 53, No. 28)」に掲載された。
|
|