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NSC発行「Safety + Health」2004年9月号

産業特集


 サービス業

消防士の死亡事故は、衝突事故や心臓発作が原因

 マサチューセッツ州クインシー― −  全米防火協会(National Fire Protection Association: NFPA)の新しいデータによると、消防士は、消火活動より火災現場への往復中に死亡しやすく、車の方が火炎より大きな危険となっている。2003年には、消防士105人が業務上死亡、2002年の97人を上回ったが、これはおもに、昨年のひどい原野火災シーズンが原因であった。
 昨年、消防士37人は、警報で出動途上または帰路に死亡した。37人中24人は、衝突または転覆事故に巻き込まれた。このうち8人はシートベルトを着用しておらず、少なくとも6人は速度超過であった。残る29人は、火災が発生した土地または建物、いわゆる「火災現場」で死亡した。火災現場での死亡者数は、NFPAが1977年からデータを収集し始めて以来の最低値であり、またこの値が死亡者総数の30%を下回ったのは初めてである。
 NFPAの消防士の業務上死亡に関する年次調査では、2003年には33人が衝突事故で亡くなっており、1977年以来の最多であったことを指摘している。
 調査ではまた、2003年に心臓発作による死亡が増えたことが判明した。NFPAによると、2003年の消防士のこの種の死亡の筆頭原因はストレスと過労で、発生件数は2002年の37人から47人に増えた。2003年の数値は、過去10年間の平均よりおよそ10%高いと、NFPAは付け加えた。
 NFPAによると、2003年の死亡者のうち11人は、心臓の持病を抱えていたことがわかっており、心臓発作による死亡者の約半数は、以前に心臓発作を患った、あるいはバイパス手術を受けていた事実が、NFPAの調査で相次いで判明した。別の3分の1は、動脈にひどい狭窄があったと、NFPAは付け加えた。