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NSC発行「Safety + Health」2004年9月号

産業特集

 運輸業

大学の調査、サイド・エアバッグに救命効果を見いだす

 ワシントン −  救急医療専門家によると、米国内のすべての自動車にサイド(側面)エアバッグを装備すると、2千人以上もの死亡や重度の脳傷害を予防できる。
 ロチェスター大学医学部(University of Rochester School of Medicine)の調査チームは、全米幹線道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration: NHTSA)が2000年に収集したデータを用いて、側面を衝突された車の人は、前方または後方から衝突された人に比べ、二倍以上の確率で外傷性脳傷害を被りやすいことをつきとめた。調査チームはまた、特殊なサイド・エアバッグを加えるなど、頭部保護を強化するよう自動車を改良すれば、脳傷害の程度を最大61%軽減できると算出した。調査は、サイド・エアバッグで、毎年2,230人もの死亡あるいは致命的な脳傷害を防止できると結論した。
 NHTSAは、サイド・エアバッグを義務付けると、年間7百〜1千人の人命が救われ、自動車産業には約10億ドルの負担になると試算している。