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NSC発行「Safety + Health」2004年11月号
ニューオーリンズ − ノーブル社(Noble Corp.)では、不安全な状況を目にした従業員が、持ち場の操業を停止する権限を持つ。これは、石油・ガス産業の掘削サービスを請け負う同社にとって、高くつく決定ではあるが、テキサス市を本拠地とする同社で行われているやり方である。
「一人一人が、安全の所有権を握る」と、ジェイムズ・C・デイ会長兼最高経営責任者(James C. Day, chairman and CEO)は、ロバート・W・キャンベル賞(Robert W. Campbell Award)の初の受賞者となって、こう述べた。エクソン・モービル社(Exxon Mobile Corp.)と全米安全評議会(NSC)が共同でスポンサーを務めるキャンベル賞は、NSCの第92回年次会議&展示会の開会式で、デイ氏とノーブル社に授与された。
デイ氏は、リスク負担を担う産業のなかで、強力な安全推進者である。デイ氏は、従業員一人一人が、自分自身および同僚のために安全面で積極的な役割を担ってこそ、こうしたリスクを最小にとどめることができると主張する。
「もしだれか、間違いを見つけたら、彼らに掘削装置(リグ)を停止する権限がある」と、デイ氏。「これは、勤続6ヶ月の21歳に与えるには大きな責任だが、不安全な状況に気づいたら、そうするよう期待されているのだということを、われわれは彼らに言い聞かせている。もしニアミスが生じたら、掘削装置を休止させて、何が起こったのか把握し、修理する」。
この戦略は、安全企業の利益にも適用されている。「われわれの会合では、最初の議題は、財務ではない。われわれは、安全問題からスタートする」とデイ氏。「いつも正当な手続きを踏まえるのは、ほとんど福音書的な取り組みである。私は、われわれのやり方に満足している。これは、互いに気遣いあう人々の文化である」。
これらの人々は、キャンベル賞受賞を喜ぶだろう。「われわれは、ちょっとした祝典を予定している」とデイ氏は述べた。「社員にとっては、お祭り騒ぎとなるだろう」。
キャンベル賞の創設は、スポンサーの重大なメッセージを強調するものである。「NSCとエクソン・モービル社は、よい安全衛生慣行は、よいビジネスであるとの考え方を重視する」と、NSCのアラン・C・マクミラン会長兼最高経営責任者は述べた。
「ノーブル社の成功は、優れた経営陣とリーダーシップで始まった」と、NSCのエドワード・D・ブラード議長(Edward D. Bullard, chairman)は、表彰式でこう述べた。「経営陣の積極的な関与と支援が、組織全体に行き渡る効果的な安全文化に結実したのである」。
キャンベル賞には19の企業が応募し、それぞれ自社の安全衛生プログラムの眼目を詳述して、手のかかる申請手続きを踏んだ。独立した論評家からなる多国籍の審査員団が、厳密な評価手順で応募書類を吟味した。
評価では、三側面を強調した。経営陣、技術面および行動面。
ノーブル社は、石油・ガス業者へ多様なサービスを80年以上提供してきた大手企業である。掘削請負サービスは、世界各地の主要市場にある59の可動式沖合掘削装置を用いて提供している。このうち約80%は、主として中東、メキシコ、北海、ブラジル、西アフリカ、インド、地中海といった国際市場に現在配備されている。
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