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NSC発行「Safety + Health」2004年12月号

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労働死亡災害、2003年は微増

 ワシントン − 労働統計局(Bureau of Labor Statistics: BLS)の発表した最新の労働死亡災害調査(Census of Fatal Occupational Injuries)によると、米国の労働死亡災害は、2003年に微増した。
 2003年には、労働死亡災害は5,559件報告された。2002年には5,534件であった。増加したとはいえ、2002、2003年とも、労働死亡災害調査としてはこれまでの最低値を記録したとBLSはいう。当局は、1992年以来、毎年調査を実施している。
 幹線道路事故、墜落・転落、感電による死亡災害は、2003年には減少した。殺人、火災及び爆発、並びに激突されでは、死亡災害は増加した。
 2003年の労働死亡災害の発生率は、労働者10万人あたり4件で、2002年と同率であった。
 労働死亡災害調査の文中、労働安全衛生庁(Occupational Safety and Health Administration: OSHA)のジョン・ヘンショー長官(John Henshaw, administrator)は、2003年の労働死亡災害率に言及して、「アメリカの労働者は、数年前に比べ、安全になった」ことを示していると述べた。また、「ヒスパニック系労働者の死亡災害は減少し続けて」おり、当局は元気づけられていると付け加えた。ヒスパニック系労働者の死亡災害は、2年連続で減った。
 労働死亡災害調査のその他のハイライトは、以下のとおり。
  • 2003年の幹線道路事故による死亡災害は1,350件で、労働死亡災害の総件数のおよそ4分の1を占める。
  • 職場での殺人による死亡は、2000年以来初の増加に転じ、631件になったとはいえ、これまでの死亡災害調査の最高値、1,080件(1994年)を大きく下回る水準である。
  • 民間建設部門は、2003年には1,126件の労働死亡災害を記録した。専門請負業では、626件であった。
  • 運輸、倉庫業部門は、805件の労働死亡災害を記録したが、これは、2003年の死亡災害総件数の16%であった。
  • 農林水産業部門では、労働死亡災害は707件であった。
  • 人口統計学的特性では、542人のアフリカ系アメリカ人が業務上死亡したが、これは、2002年の10%増であった。
  • 65歳以上の労働者は、年齢階層別では、依然として死亡率がもっとも高く、65歳以上の労働者10万人あたり11.3件であった。
 報告書全文は、www.bls.gov/news.release/cfoi.nr0.htmで閲覧できる。