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NSC発行「Safety + Health」2005年1月号

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BLS、死者複数の死亡災害に関し、初の調査書を作成

  ワシントン − 死亡労働災害10人中1人は複数の死亡者を出した労働災害で死亡しており、このうち数件は大規模労働災害であると、労働統計局(Bureau of Labor Statistics: BLS)は、初の調査で報告した。
 労働統計局は、1995〜1999年の間、二人以上が死亡した災害すべてのデータを吟味した。調査によれば、死者複数の死亡災害の件数は、全労働死亡災害件数のわずか4%にすぎないが、このような災害での死亡者数は、全労働災害死亡者数の約10%に相当する。死者複数の死亡災害の約4分の3は、死者は二人だが、大規模災害9件では、労働者あわせて266人の命が奪われた。全体でみると、死者複数の死亡災害は、1件あたり平均3人が死亡、年平均222件である。
労働統計局は、この種の死亡災害がどこで発生するかについても調査した。こうした災害に遭遇した労働者の大半は、なんらかの形での業務上の移動の最中に死亡していることが判明した。移動手段から大きく開いて、殺人、火災・爆発が続く。
産業別にみると、死者複数の死亡災害は「やや均等に」分布していると、労働統計局はいう。目立ったところでは、多重殺人が「とくに多い」中古車販売業や、石油・石炭製品業の死者複数の死亡災害のほとんどすべてを占める石油精製業といった産業が挙げられる。
対照的に、死者複数の死亡災害は、「工場のような生産現場の職種では、一般的には主流ではない」ことを、労働統計局は突き止めた。


出 所:労働統計局(BLS)、2004年

労働統計局は、死者複数の死亡災害は、大抵の場合、発生状況に潜む致死性の事故・ばく露や、災害が頻発する職種といったなかに、死亡災害の全体像を映すものはないと述べ、これらはすべて「唯一無二の現象である」と結論した。
  この調査結果は、月間労働報告(Monthly Labor Review)オンライン版2004 年10月号で報告された。