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NSC発行「Safety + Health」2005年1月号

ニュース


調査:筋骨格系障害は、年齢、性別よりストレスで誘発

 英国ギルフォード(Guildford − 英国の労働力人口を対象とした新しい調査によれば、業務上のストレスは、筋骨格系障害(musculoskeletal disorders: MSDs)の発症に関わっており、年齢や憂うつな気分は、それほど影響はない。
 サリー大学(University of Surrey)の労働システムデザイン専門家であるジェイソン・デベルー(Jason Devereux)氏は、11産業部門、20社の労働者8,000人を3年間余り調査した。同氏は、年齢、性別、神経質や憂うつな気分は、筋骨格系障害の発症にほとんど、あるいはまったく影響を及ぼさないことを突き止めた。
 しかし、労働の身体的、心理的側面の両方が、筋骨格系障害の発症に直接関わっていることが、調査で判明した。
 調査の最大の所見は、業務上のストレスが筋骨格系障害の発症に関わっていることであった。デベルー氏は、業務上ストレスと筋骨格系障害は共に、作業編成における人間と工程の不均衡の兆候であると述べた。状況を打開するには、意思疎通、組織への信頼、労働者の参加を要する。労働安全衛生規則の単なる適用は、「効果が限定されやすい」とデベルー氏は警告する。