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NSC発行「Safety + Health」2005年2月号
ジョージア州メイコン − 連邦地方裁判所は、2004年11月26日、米国産業衛生専門家会議(American Conference
of Governmental Industrial Hygienists: ACGIH)の作成するTLV(threshold
limit values)は、商業上ないし政府の言論ではなく、したがって憲法修正第1条(First
Amendment)で保障されると裁定した。
これは、四物質について、新しいTLVをACGIHが提案、採択、刊行することを禁ずる暫定差止命令の発令を却下する裁決のなかで言及された。四物質とは、n-プロフィル臭化物(1-ブロモプロパン)、銅、結晶性シリカ、ディーゼル粒子状物質である。
原告は、国際臭素化溶剤協会(International Brominated Solvents Association)、Aerosafe
Products Inc.、全米鉱業協会(National Mining Association)で、訴訟では、差止命令は、原告らの経済的利益を保護するのに必要であり、厳しいTLVは、科学的に立証されていないと主張した。また、ACGIHは、連邦諮問委員会であるから、行政訴訟法(Administrative
Procedures Act)の適用を受けると主張した。
ジョージア中央地方連邦地方裁判所(U.S. District Court for the Middle
District of Georgia)は、原告は、連邦諮問委員会法(Federal Advisory Committee
Act)の下では、訴訟を起こす原告適格を有しないと裁定し、TLVの刊行に対する差止命令は、「ACGIHの憲法修正第1条、言論の自由をはく奪するにひとしい」と付け加えた。
ACGIHのビッキー・L・ウェルズ理事長(Vickie L. Wells, board chair)は、訴訟に関し、「原告の主張は、信頼に足る、綿密な科学に立脚して、労働者を十分保護しようとする専門家の能力に対し、実質的な脅威を振りかざす性質のものである。道理を尽くした評価と判断に基づいて科学的な見解を表現するという組織や団体の権利が、危機にさらされている」とコメントした。
ACGIHは、規制目的の基準ではなく、専門的な実践ガイドラインとしてのTLVを開発、提案し、刊行していると述べた。
「われわれは、現在、変更予定通知(Notice of Intended Change)に1-ブロモプロパン、銅、シリカ、結晶性クリストバライトを載せている。ディーゼル排気ガスは、検討(Under
Study)リストに載っている」と、ACGIHのアンソニー・リズット常務理事(Anthony
Rizzuto, Executive Director)は、本誌締め切り時刻にこう述べた。
リズット氏は、これらの物質に関する変更はなんであれ、2005年1月に発行する2005年度年次報告に載せると付け加えた。
ACGIHによると、ある物質のTLVの開発または改定を検討すると決定した場合、当該物質はまず、「検討」リストに載せる。情報を収集し、TLV案が開発されると、変更予定通知に掲載する。この間、コメントを一般公募する。
ACGIHは、コメントを検討の上、TLVを採択し、変更予定通知に残すか、あるいは、変更予定通知から削除し、検討リストに戻すかどうか、決定する。
差止命令に関する裁定が言い渡された後、原告は、くだんの四物質に関するすべての資料・記録を提出するよう義務づける迅速開示命令を申請した。この申請は、12月1日、却下された。
本誌締め切り時刻では、国際臭素化溶剤協会・Aerosafe Products Inc.対ACGIH・労働省・保健社会福祉省の最初の公判日は設定されていなかった。
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