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NSC発行「Safety + Health」2005年4月号

産業特集


 製造業

精肉・鳥肉産業で、新刊報告書

 ワシントン − 政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)の新しい報告書によると、精肉・鳥肉産業の安全は、改善しつつあるなかで、さらに強化することができる。報告書は、当該産業は、他の産業に比べ、もっとも高い傷病率をいくつか記録していると指摘した。報告書は、労働安全衛生庁(OSHA)の活動は、業界の傷病率に前向きな影響を与えてきた形跡があると述べ、精肉・鳥肉工場の監督事業場選択基準を改善するよう、OSHAに勧告している。
詳細は、www.gao.gov/docsearch/abstract.php?rptno=GAO-05-96を開かれたい。
 他方、人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch、在ニューヨーク市)の報告書は、米国の精肉・鳥肉産業の労働者は、不必要に有害な労働条件に甘んじていると主張する。
 報告書「血と汗と恐怖:米国の精肉・鳥肉工場における労働者の人権(Blood, Sweat, and Fear: Workers' Rights in U.S. Meat and Poultry Plants)」はまた、企業は、生産ラインを速すぎるスピードで操業し、しばしば負傷労働者への労災補償を拒否し、ユニオンショップを組織しようとする労働者を脅迫・解雇し、移民労働者の不正雇用を口外させないよう、移民の身分につけ入ると記述している。
 同団体は、ネブラスカ州の精肉業、ノースカロライナ州の屠畜業、アーカンソー州の鳥肉加工業を調査した結果、この結論に達した。
同団体は、報告書のなかで「政府権力のみが、労働安全衛生および労災補償給付に関する業界規模の強力な規則という一律の最低基準を設定することができる」と述べ、事態の改善に向け、政府の介入を強く勧告している。
報告書は、オンラインhttp://hrw.org/reports/2005/usa0105で閲覧できる。