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NSC発行「Safety + Health」2006年5月号
掲載日:2006.10.31
産業特集

建設業

ミズーリ州プログラム、コンクリート産業に照準

 ミズーリ州カンザス・シティ(Kansas City)― 労働安全衛生庁(OSHA)は、ミズーリ州で、コンクリート関連の危険有害性に対する労働者のばく露について、特定、評価、管理する州規模プログラムに着手した。

同プログラムは、コンクリートあるいはコンクリート製品を製造、生産、混合または配達する業者を対象としている。プログラムは、特定された事業者に対し、計画に基づく施設の臨検や情報・アウトリーチ用資料を提供する。

同プログラムの安全衛生臨検では、シリカや騒音も含め、コンクリート関連業務に関わる危険有害性への潜在的ばく露について、あらゆる側面を検討する。

この総合臨検では、次の項目を評価する。

  • 修理・保全作業中の機械の突発的な始動を防止するロックアウト、タグアウト手順
  • 閉塞空間への立入り予防措置
  • 電気安全作業の実践
  • 機械防護の実践
  • 呼吸器保護の実践
  • 健康診断の実践

OSHAは、従業員が、コンクリート関連の危険有害性にばく露した場合に義務づけられる記録保持や記録も含め、安全衛生プログラムを補う事業者記録を吟味する。

本プログラムについての詳細は、OSHAカンザス・シティ−事務所(Kansas City office、電話:(816)483-9531)、またはOSHAセント・ルイス事務所(St. Louis office、電話:(314)425-4249)で入手できる。

政使同盟、幹線道路工事の危険有害性やシリカに着眼

 フロリダ州セント・ピータースバーグ(St. Petersburg, FL)− コンクリート切断・穿孔協会(Concrete Sawing and Drilling Association)はこのたび、労働安全衛生庁(OSHA)と同盟関係を結び、会員企業やコンクリート切断・穿孔業者に対し、幹線道路工事現場の危険有害性や、車両の安全性、シリカ関連の有害性に対する呼吸器保護に焦点を絞った情報を提供する。

OSHAと協会は、同盟を通じて、職場の危険有害性の把握と防止について、情報を確立し、その情報を業界全体に周知する方法を開発する。OSHAと協会は、優良事例について、OSHA職員や業界の安全衛生専門家との間で情報を共有し、文書や訓練プログラム、ワークショップ、セミナーや講習を通じた情報提供を支援する。

事実チェック
 
運輸・倉庫業における起因物*別非死亡傷害(2003年)
傷害部位 障害者件数
コンテナ 39,970
車 両 27,390
床上・地表 22,220
労働者の動作または位置 19,960
部品・資材 10,560
機 械 3,860
家具・設備 2,860

*「傷害の起因物(Source of injury)」は、必ずしも傷害の原因である必要はなく、直接的に傷害を負わせた物体またはばく露を意味する。たとえば、自動車の衝突事故では、自動車が傷害の起因物とみなせるが、たとえば不注意運転といったもう一つの要因が、事故を招いたと考えられる。

出 所:全米安全評議会(NSC)、”Injury Facts”、2005〜06年版