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アスベスト(石綿)関連の疾病に対する補償が増加

資料出所:「OS&H」 2000年8月号
(訳 国際安全衛生センター)


ウィッティ環境大臣の発表によると、アスベストその他の粉じん関連の疾病に対して支払われた補償金額が、2.5%増大した。

「1979年じん肺その他に関する(労災補償)法律」に基づく一時金の支払い額は、物価上昇に伴なって増加し、さらに今後は2000年7月1日以降の医学的調査に基づく新たな請求に対しても支払われる。支払い額は、最低1,991ポンドから最高56,567ポンドまであり、患者の年齢、障害の程度によって決定される。

この法律は、粉じんへの暴露によって発症した患者またはその被扶養者が、雇用企業からの補償を受けられない場合に補償金を支払うものだ。

アスベストなどの粉じん関連の疾病は進行速度が遅く、患者の多くは暴露から最長40年後に発症する。疾病が発見されたときには事業者がすでに事業を止めていたり、長い年月の経過で訴訟を提起するのがむずかしい場合がある。1979年法は、こうした人々に補償を行う。

支払い対象者の70%以上は、きわめて悪性のガンである中皮腫の患者で、なかには35年以上たってから発症するケースもある。発見時には例外なく末期段階に至っており、余命は12カ月から18カ月である。

この補償制度についての詳しい情報、解説パンフレット、申請書は、環境・運輸・地域問題省(HSFO, Zone 4/13, Great Minster House, 76 Marsham Street, London, SW1P 5DR/ 無料電話0800 279 2322)で入手可能。

給付庁から労災補償給付を給付される前であっても申請できる。

英国石炭会社(British Coal)は、中皮腫の炭坑労働者に対する独自の補償制度を持っている(炭坑労働者は1979年法の適用対象外である)。

炭鉱労働者への給付についてはAON Coal Benefits Ltd. (Queen House, 105 Queen Street, Sheffield, S1 1GN/ 電話0114 2784312)が取り扱っている。



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