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労働衛生サポートの利用方法を改善する
中小企業の労働者への支援広がる


資料出所:Rospa発行「OS&H」|2000年10月号
(訳 国際安全衛生センター)

 職業性疾病で苦しむ人の数は200万人と推定され、その一部は職業生活に戻れないでいる。そうした事実にもかかわらず、事業者も労働者も職場での健康への長期的なリスク、それを防止する実際的な支援の必要性に気づいていない。

 安全衛生委員会(HSC)と厚生省(Department of Health,DH)はこのほど、中小企業で働く労働者に労働衛生に関するサポートをもっと手の届きやすいものにする方法についての、レポートを発表した。このレポートはHSC労働衛生諮問委員会(HSC's Occupational Health Advisory Committee)が作成したもので、それには経済的変化によって中小企業で働く労働者の数が増え、しかもそうした職場では労働衛生に関するサポートが十分に与えられていないと指摘している。

 安全衛生庁(HSE)のサンドラ・コールドウェル衛生局長は、「労働衛生に関するサポートや助言が効果的に与えられていれば、職場での衛生上のリスクや疾病はうまく管理でき、費用もかからないし、困難もない。しかし中小企業の労働者にこうしたサポートや助言を提供するには、まだ多くの困難がある。実際的な解決策が必要で、それはこのレポートの勧告に記載されている」と語っている。

 30項目に及ぶ勧告は地域的な連携を通じて労働衛生のサポートを提供すること、労働衛生に関する問題についての姿勢を変え、認識を深めること、医療専門家に労働衛生の研修の機会を提供すること、労働衛生のサポート、助言を提供する各種のメカニズムを整えること、など多岐にわたっている。

 HSEと厚生省はこれらの勧告を実施に移す共同行動計画に合意した。この計画に従って、両機関は労働者の衛生に関心を持つ幅広い関係者、機関と協力することになった。衛生機関、地方自治体、NHSトラスト、中小企業団体や労働者代表などである。またHSEはスコットランドやウェルズの関係機関とも連携を取っている。

 OHACレポートの実施は、英国における新しい労働衛生戦略「衛生協力の確保」(OS&Hニュース9月号)の重要な要素の一つになる。またHSEと厚生省が1999年3月に着手した「健康な職場計画」の一部にも加えられている。

 労働衛生サポートの主な手段は、職場における衛生上のリスクを予防、制御すること、職場での病気の影響を抑制すること、負傷者や機能障害者の職場復帰を支援することなどである。広い意味では、職場が提供する機会をとらえて労働者全体の衛生を向上させることでもある。

 労働衛生諮問委員会のレポート「労働衛生の利用方法の改善」は、下記から無料で入手できる。
 Angela Wearne, Health and Safety Executive
 Rose Court, 2 Southwark Bridge, London SE1 9HS
 Tel:020-7717-6225
 E-mail:angela.wearne@hse.gov.uk
 またはHSEのホームページ(http://www.hse.gov.uk/hthdir/noframes/access.htm

この記事の出典Rospa発行「OS&H」は国際安全衛生センターの図書館が閉鎖となりましたのでご覧いただけません。