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労働衛生10年戦略がスタート

資料出所:「OS&H」 2000年9月号
(訳 国際安全衛生センター)


毎年25,000人の労働者(1週当たり500人)が、労働関連の疾病により労働市場を離れ、二度と復帰することがない。毎週約3,000人の労働者が、長期病休から労働不能給付へと移行し、その90%は職場に戻ることがない。労働関連の疾病によるコストは、年間約100億ポンドにのぼると推計されている。

『Securing health together(共に健康を確保する)』。これは2010年までに労働衛生状況を改善するための新戦略の名称である。HSC、環境・運輸・地域問題省、教育・雇用省、保健省、社会保障省が一体となってスタートさせた。

これら各省と、事業者、労働者、労働組合、使用者団体、衛生専門家、ボランティア・グループが協力し、新戦略の一環として次のような意欲的な目標を掲げた。

  • 労働関連の疾病の20%削減
  • 労働作業に起因する一般国民の疾病の20%削減
  • 労働関連の疾病に起因する損失日数の30%削減
  • 疾病または障害による休業者に、労働に復帰するためのリハビリテーションの機会、および就労準備と求職の機会があることを適宜、知らせる

戦略の実行と普及状況を、新設されるパートナーシップ委員会が監督する。委員会には各分野の重要人物を入れ、任務の遂行に必要な幅広い技術と経験を提供する。議長にはHSCのビル・キャラガン議長が就任する。

また、5つのプログラム・アクション・グループが、各プログラムのもとでの行動分野を決定するとともに、目標を設定し、基本的なパートナーを選定し、行動を起こす。5つのプログラムは以下の内容からなる。

労働衛生に関連する法律の改善を通して、法令順守を確保する。

  • 労働衛生の継続的改善という高い目標に向かって取り組む。
  • 労働衛生に関する基本的知識を取得する。
  • 全関係者に必要な能力と技術を確保する。
  • 労働衛生に関する情報、助言などで支援をするための適切な仕組みを確立する。

この戦略は、労働の福祉、ニューディール、ONEイニシアティブ、障害者のためのニューディール、最近発表されたイングランド、スコットランド、ウェールズでの公衆衛生対策など、政府の他の政策とも関連している。新戦略とこれらの政策には、社会的疎外との闘いの必要性や、衛生的な職場の恩恵をすべての人に拡大するといった共通のテーマがある。

効果的な実践例や有益な情報がある場合は、HSE(7NW, Rose Court, 2 Southwark Bridge, London SE1 9HS/ 電話020 7717 6198ファックス020 7717 6980, e-mail: oh strategy@hse.gsi.gov.uk)の労働衛生部に連絡するか、新戦略のウェブサイト(www.oh strategy.net)にアクセスして内容を提供することで、新戦略に貢献できる。

『Securing health together(共に健康を確保する)』は1部ずつなら無料で、インターネット(http://www.hsebooks.co.uk)で注文するか、HSE Books(PO Box 1999, Sudbury, Suffolk, CO10 2WA, 電話01787 881165 ファックス01787 313995)から入手可能。

また、HSCの労働衛生諮問委員会から、労働衛生における支援の改善に関する報告書もでており無料で配布している(連絡先:アンジェラ・ウィーン、電話020 7717 6225/ e-mail: angela.wearne@hse.gov.uk)。

この記事のオリジナル本は国際安全衛生センターの図書館が閉鎖となりましたのでご覧いただけません。