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安全性が未確認の違法な輸入トラクター

資料出所:「OS&H」 2000年9月号
(訳 国際安全衛生センター)


日本から輸入される中古の農業用トラクターを購入した農業者は、イギリスの安全衛生法に抵触するおそれがある。HSEは、ポンド相場の上昇とインターネットを利用した機械購入量の増大により、イギリスの安全基準に合致しない可能性のある「灰色」のトラクター市場が広がっていると指摘する。

輸入トラクターには、日本の有名メーカー製品が含まれている。イギリスの正規輸入業者は、特定のトラクターの「灰色」取り引きはまったく管理できないため、農業従事者はこれらに関与しないよう助言している。

HSE農林業部門の責任者、グレッグ・バンゲイ氏は「これらのトラクターの大半は重量が560キロ以上のため、『農業(トラクター運転席)規則』に合致している必要があり、認定された運転席やロールバー(屋根の補強棒)付きでなければ使用できない。輸入されているのはこれまでイギリスでは販売されていないトラクターで、認定済みフレームが付いていない可能性が高い。農業者が、定められた認定済みフレームの付いていないトラクターを作業員に運転させた場合、法律違反になる」と指摘する。

危険性は次の点にもある。

  • 運転者用マニュアルや指示書が付いていない。
  • 操作マークも警告ラベルも、すべて日本語表記になっている。
  • 安全装置がイギリスと欧州の基準に合致していない。
  • 動力テークオフ・シャフトが、ECとイギリスの認定済みトラクターとは反対方向に回転するケースが報告されている。

バンゲイ氏は「現行安全規則に違反する機械を販売する者には、HSEは厳しい措置をとる」と述べた。

HSEは農業者と販売業者に対し、「灰色」輸入品と疑われる製品の購入をもちかけられた場合は、地元のHSE事務所に連絡するよう要請している。

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