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RoSPA発行「OS&H」|2001年1月号


ニュース

建設産業基準が機能していない
 建設業における死亡者数は、2000年上半期で62名を記録。一方、1999上半期は39名であった。

1999−2000年の建設業における死傷事故の主な原因と基本的な予防措置を次に挙げる。

  • もろい屋根や天井の明り取りからの落下。出入りを禁じ、安全網を用意し、もろい天井明り取りや屋根を覆うべきである。

  • はしごからの落下。出入り手段としてのみ使用する。いつも、固定しておくこと。

  • 足場その他の作業場からの落下。あらゆる仕事に安全な作業場を設けること。2メートル以上の高所では、2段手すりとつま先板を二重に設ける。足場の組み立ての際は、安全ロープを張ること。

  • 掘削機械、フォークリフト、ダンプカーその他の機械に衝突される。機械と労働者との間に、距離を保つこと、また、バック運転の安全を確保しておくこと。

  • 構造物の倒壊で押しつぶされる。有資格の構造物エンジニアの助言を求めること。また、遠隔解体技術を用いること。

  • 感電。電線の作業、あるいは電線のそばで作業する前に、導伝機器を絶縁すること。

HSE(健康安全庁)のケビン・マイヤース建設監督主任は、「この死亡者数は、ショックであり、受け入れがたい水準である。我々は皆、なぜ死亡するに至ったか、また、このような死亡事故予防のための緊急措置について、承知している。解決策は、明白で、周知されている。この問題に即対処するよう、建設業界に求める」と語った。

マイヤース主任はこう続ける。「発注者や設計者も含め、建設業界における危険を容認風潮を変えていく必要がある。この長期的な課題に取組むため、ビル・キャラガン安全衛生委員会(HSC)委員長とジョン・プレスコットの共催で、2月、主要人物を招いて会合を開く。事故を減らすにあたり、衛生問題も見失ってはいけない。会合では、この両方を検討する」。

毎年、建設監督官は、およそ2万件の予防監督を実施、1千件の事故および7千件の苦情を調査している。昨年、健康安全庁は、2,070件の禁止通知(建設現場の一部またはすべての作業を停止させる)を出し、建設関連の有罪判決は、537件であった。監督官は、とくに以下の点に注意している。

  • 管 理------1994年の建設業(設計と管理)規則に従い、危険を除去し、リスクを管理する。例えば、新築または改築中の建物内で、壊れやすい天井明り取りを使用しないようにする。

  • 足 場------足場組み立て人をめぐるリスク、資材等の落下、足場の倒壊による公衆その他の労働者へのリスクを管理する。

  • 運 搬------車両、機械と人間とを分離する。バック運転をなくす、または、バック運転の際、適切な補助具を必ず使用する。

  • アスベスト------認可業者による作業中に適切な予防措置を講じる。アスベスト断熱板作業を含む。

  • ブロック積み------20kgを超える重さのブロックの取り扱いを取り除く。または、これらのブロックの持ち上げを一人で反復して行うのを避ける。

  • 振動・騒音------設計段階での手腕振動、騒音リスクを除去・削減する。その他の危険とくに、破砕機や手掘削による荒仕上げ、杭頭抜き作業の安全管理。

 

ボビス、救助活動を実演

建設管理専門業者、ボビス・レンド・リースは、ヨーロッパ労働安全衛生週間の一環として、同社がオービット・ディベロップメントより受注した13階建てのデザイナー販売店の建設管理を請け負っているマンチェスター商店街で、地上45フィート(14メートル)の救助活動を実演した。

 

「よく協力して働いたで」賞

2000年度の「よく協力して働いたで(WWT)」賞の全国4C(commitment責任、cooperation協力、communicationコミュニケーション、competence能力)部門で、建設4社が、その「安全第一」主義で、表彰された。

 

HSE、ストレスを協調

健康安全庁(HSE)は、職業関連ストレス対策の必要性に関し、使用者の認識を高めるキャンペーンを開始した。

 

消火器の使用調査

消火器業協会(FETA)の調査によると、火災のおよそ80%は、消防署の救援なしで消火されており、このうち、携行型消火器が、断然、広く利用されている。

 

手腕振動知識ベース

健康安全庁(HSE)が、手腕振動症候群問題は、従来考えられていたよりも約400%大きい(男性労働力人口の20%が危険にさらされている)と発言したことを受け、産業騒音・振動センター(INVC)は、危険管理手段である手腕振動(HAV)知識ベースを一般向けに公開することを決めた。

 

PPE(個人用保護具)巡回キャンペーン

英国産業は、労働者を有害物質から保護するPPE(個人用保護具)に、毎年5億ポンドを投じている。しかし、この大半は、保護具の不適切な選択や誤用により、ずいぶん無駄になっている。

 

化学産業の安全衛生における効果的な労働者参加:事例報告書

労働者参加を効果的に取り入れている企業は、安全衛生、業績一般における有益性を報告している。これは、化学産業フォーラムの委託で、健康安全庁(HSE)が刊行した新しい調査結果である。

 

海上石油基地統計

最近の安全衛生庁(HSE)の沖合統計によると、1999/2000年中に同庁に報告された負傷者数(暫定値)は、246人で、前年度の320人を下回った。「重大な」および{3日を超える}負傷は、ともに減少したものの、死亡者数は、1名から2名へと増加した。

 

腰痛2001イベント

腰痛は、人口の60%以上が、人生のある時点で悩まされる可能性があり、英国で最も蔓延している慢性的衛生問題であることは、疑う余地がない。一時的または恒久的な腰痛は、個人の生活様式に深刻な影響を与えるばかりでなく、経済への打撃も大きい。

 

漁師向け安全コース構想

キース・ヒル海運大臣は、漁師の死亡事故を削減する戦略を発表した。漁業における安全記録の悪化について、ヒル大臣が語る。

 

最近親者サービス

ネクスト・オブ・キン社は、緊急時に、迷子、犯罪または事故の犠牲者、盗難・紛失物の所有者の最近新者を当局が探す方法を根本から変えようと、全国規模のサービスを始めた。

 

TUC、環境衛生管(EHO)削減に警鐘

TUC(労働組合会議)は、地方議会環境衛生予算の削減および地方当局の監督官の大幅な減員は、何百万人もの労働者の安全衛生を危険にさらすと述べた。

 

ガス安全の再検討

HSE(安全衛生庁)は、ガス安全を根本的に見直し、4点の主要勧告にまとめた。