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RoSPA発行「OS&H」|2001年5月号




ニュース


業務上の交通災害リスクに関する協議
RoSPA(イギリス災害防止協会)の主唱により、業務上の交通災害リスクが国家の安全衛生議題に載ったのを受け、国民の意見を求める討議資料が刊行された。
業務交通安全対策委員会が発行したこの資料は、交通災害リスクも、その他の労働安全衛生と同様に使用者に管理させるべきかどうか、また、職業ドライバーに特殊試験を設けるべきかどうか、コメントを求めるものである。
討議期間は、5月25日まで。
政府の業務交通安全対策委員会の委員長は、リチャード・ダイクス氏、その事務局長は、レス・フィルポット氏である。両氏とも、RoSPA労働安全衛生会議の交通安全リスク管理セッション(5月24日)でスピーチする。


RAC(英国自動車クラブ*)、業務上運転の事故防止対策を要請
今年度の自動車運転に関する報告書の内容を受けて、英国自動車クラブ(RAC)は、マイカー運転者を代表して、関係当局および関係団体に然るべき対策を採るよう、要請した。その内容のいくつかを挙げる。
  • 貨物輸送運転手の間で、交通安全を目標に掲げる。
  • 疲労運転は、容認しないものとする。
  • マイカー通学の削減を奨励する。
  • 高速道路の安全対策について認識を高める。
今月号「この職業生活」では、RACによる故障車救助パトロールが直面する危険について特集。14ページ参照。

*RACとは、ユーザーに対して自動車や交通に関する収集のサービスを提供するとともに、交通の安全と円滑化の推進を図る事業活動を行っている組織である。


建設業:「安全責任の転嫁を止めよう」
「私は、他の人々が犠牲にならないようにしたいと思います。実際に、なにか起きてほしい。計画もよいが、行動を起こし、立ち止まり、考えなければならない」と、30フィートの高さの屋根から落下して背骨を折った、ウィラルのウェスト・キルビー出身の33才、イアン・ウィッティンガム氏は語った。
ウィッティンガム氏は、建設業の安全衛生向上に向けたHSC(安全衛生委員会)の取り組みを傍聴するよう、特別ゲストとして招かれた建設事故の被害者の一人である。

訓練、訓練、そしてまた訓練。建設業の死傷者数は、増加の一途で、これに対処するため、ジョン・プレスコット副首相が先日開催した建設業安全衛生サミットの主要なメッセージは、このことばに尽きる。プレスコット副首相は、業界が、安全衛生に対する認識を高め、死傷者数を減らす対策を講じなければ、政府としては、立法措置を検討すると述べた。安全向上の基本は、より多くのより良い訓練であるとの合意に達した。
電気部会は、新しい安全衛生訓練コース「電気工事業界で、ともに安全に働こう」で応じた。この訓練コースは、電気工事請負業者協会(ECA)と工事・電気合同組合(AEEU)が、合同産業委員会と共同で開発したもので、労働安全衛生協会の認定を得ている。これはまた、労使団体が共同で実施し、所有する唯一の安全衛生コースである。これは、双方が、認可訓練パートナーを指名できるということを意味する。
電気工事技士、認可電気工事技士、電気工事請負業者の現場スタッフを対象としたこのコースは、危険の特定、リスク評価・管理、安全管理および関連法規全てを網羅している。


RoSPA、役員法に関して強硬な対策を要求
役員の安全衛生責任を規定した法案の勧告は、中身が不十分であると、RoSPA(イギリス災害防止協会)は発言した。
同協会のロジャー・ビビングズ労働安全アドバイザーは、安全衛生委員会の協議資料の提案が、もっと議論をつめたものでなければ、「起り得る事故」を防止することはできないと述べた。


鉄道産業は、失敗から学ぶべきである
「鉄道は、相互の関連が重要となる複雑なシステムであり、我々は、皆が署名できるような総合的解決をぜひとも見出さねばならない」と、ティモシー・ウォーカーHSE(安全衛生庁)長官は、鉄道復興会議で述べた。


フェリー安全点検
イギリス領海を航行する自走式旅客フェリーおよび高速フェリー全てに適用される、新しい定期安全点検が導入される。新たに営業を開始する船舶は、その前に安全点検を受けねばならない。営業中の船舶については、今年12月前までに、海事・沿岸警備庁(MCA)の調査開始手続きを踏まねばならない。


欧州安全衛生オンライン会議
欧州労働安全衛生機構は、欧州および欧州域外の安全衛生専門家、実務家に対し、労働安全衛生の経験、専門知識を交流し、共有する機会を設けようと、初の欧州安全衛生オンライン会議を開催した。


CIA、タンク車の識別方式を再開
イギリスの化学産業協会(CIA)は、タンク車、タンク積載トローラ車の白黒標示方式を再開した。
白地に黒字を用いて、危険物用の黒とオレンジの標示とは区別したこの自主的な計画は、イギリス運輸法規で危険物と分類されない化学物質や化合物といった、危険性の低い化学物質を輸送するタンク車およびタンク・コンテナーであることを識別する、標準的な手法を打ちたてた。


救命艇の調査を要請
海上事故調査部(MAIB)は、船舶の救命艇およびその進水システムの救命効果について、国際的な調査を要請した。


反復的負荷傷害、若年労働者を脅かす
労働組合会議(TUC)は、反復的負荷傷害(RSI)は、年配の労働者よりも若年労働者にとってより危険であり、迫り来るRSIの多発に適切に対処せねば、英国経済を荒廃させ、何百万人もの若年者に慢性的な苦痛をもたらすとして、産業界に警告する。


HSEには「大いに失望」と顧問が発言
ロンドンのセント・メアリ病院出身の労働医学顧問、ハリー・ウォルドロン博士は、英国の労働条件の改善をめざした安全衛生庁(HSE)の努力には、大いに失望させられたという。
ロイヤル医学ソサエティ・ジャーナルへの寄稿で、ウォルドロン博士は、英国の労働者にとり利用可能な労働衛生サービスは、「どうみても、つぎはぎであり」、処置の遅れにより、職業関連傷害を悪化させる可能性があると述べている。


1万ポンドのBUPA賞
ブリティッシュ・ユナイティッド・プロビデント・アソシエーション(BUPA:英国最大の医療保険会社)基金の労働衛生賞は、受賞者に1万ポンドの賞金を与える。これは、保健医療・研究で、卓越した実績を表彰する5賞のうちのひとつである。


BIOH、資格認定試験の内容を改定
2002年1月1日より、英国労働衛生研究所(BIOH)は、総合労働衛生の実務を扱った主要な資格のひとつに関し、有害化学物質と物理的要因の内容を見直した改訂版を用いて認定する。


建物の安全衛生
建物調査協会(BRE)は、建物内の多くの危険に絡んだ安全衛生に関し、大規模な検討を完了、その結果は、ユーザーの安全衛生に及ぼす建物の影響に関する報告書にまとめられた。


展示会の安全
英国展示会請負業者協会は、展示会場での準備、解体中の安全管理について、包括的で費用効果の高い解決策の提供をめざし、展示主催者のための新しい安全管理サービスを用意した。主な目的は、業者に対し有資格者による常時監督行為を定めた、安全規則の遵守を徹底することにある。