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アスベスト修正法案−安全衛生庁の方策

資料出所:The Royal Society for The Prevention of Accidents(ROSPA)発行
「OS&H」|2002年1月号 p.3
(訳 国際安全衛生センター)


安全衛生庁のティモシー・ウォーカー長官によれば、新しいアスベスト法案の狙いは、労働者の生命に対するアスベストの脅威を減らすことである。

「我々が法制化したいと願っているこの法案が実施できれば、何千人もの生命が救われる」とウォーカー長官は言う。「毎年約3000人の人々が、アスベストに係る疾病で亡くなっている。この数字は、毎年職場での事故で亡くなった人の10倍にもなるのです」。

「しかし残念ながら、この先10年以内には年間3000人という数字は、恐らく2倍以上に増えそうです。すでにこの災害の種が1980年代以前にまかれているので、この増加を防ぐことはできませんが、将来人々がアスベスト疾病に陥る可能性を最小にするため、今、我々は何か特別なことができるのではないか? それが、職場の建物に存在するアスベストを管理するという、この新しい義務を法制化することなのです」。

「この3000人という数字で、重要な事実の一つは、亡くなる人の大部分は、直接アスベストの製造や取り付けに係った人達であるが、4分の1の人は、ただ間接的に建物に関連する仕事に係った人達である」。

「この新しい義務が法制化できれば、管轄当局として、下記のことを保証できます。

  • 職場の建物に存在するアスベストから生じる危険性は、建物の使用に責任のある事業者によって管理されること。

  • 建設労働者や保守・修理を行う労働者は、自分自身を護る正しい情報を手に入れることができること。

  • 法律による強い強制力により、アスベストへの接触を防ぐことが出来ること。

「しかし、すべてが、一夜ではできません。現在英国では、アスベスト材料が使われた職場の建物が約150万もあります。そして恐らく、義務を負う事業者の数は、400万人をはるかに超えるでしょう」。

ウォーカー長官は、さらに続けた。「我々としては、安全衛生庁内で、これまで5年間に及ぶキャンペーン運動をやってきました。そして、2001年10月から一連のロードショウ(特別興行)セミナーを実施しているところです」。

「キャンペーンの第2段階では、安全衛生庁と地方当局から検査官が、法律で義務を負う大手事業者の本社を訪問し、彼らの準備状況を調査することになります。一方、それ以外の事業者には、メールによる調査を行います」。

「第3段階では、さらに的を絞った訪問調査を計画・実施し、事業者がアスベストの危険性を管理していない場合には、法による強制力が実行される」。