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反復的負荷障害(RSI)に関するHSEの新しい指針

資料出所:The Royal Society for The Prevention of Accidents(ROSPA)発行
「OS&H」|2002年5月号 p.7
(訳:国際安全衛生センター)


反復的負荷障害(RSI)およびそれに類する障害に対する最適な予防および管理法についてのHSEの指針が改訂され、発表された。

英国では、上肢または首の障害をもった労働者が約50万人いるため、推計420万日の労働損失日数が発生している。障害をもつ労働者は1人平均13日の休業をとり、事業者に少なくとも2億ポンドのコストを強いている。RSIの被害は、組立工からジャーナリストまで幅広い職種に広がっていて、そのために失業せざるをえない労働者もいる。

今回の指針には、職場の労働者による上肢障害(ULDs)のリスクと影響の両方を減らすための、経営者の取り組み方が示されている。取り組みは以下の各段階に沿って行われる。

  • 症状の種類、発生の仕方などの諸問題を理解し、行動に立ち上がる。
  • 対処のための適切な組織的環境を創出し、労働者を参加させる。
  • 職場での上肢障害のリスクを調査する。
  • 上肢障害のリスクを減らすため、たとえば作業場と装置の設計を変更し、業務を交替制にするか自動化し、環境と作業手順を改善する。
  • 労働者への教育と周知徹底を図る。
  • 予防できなかったあらゆるインシデントを管理する。
  • 定期点検を行い、対策が効果をあげているか観察する。

上肢障害にかかりやすいのは、キーボードを操作する人、窯業労働者、食肉加工および食品梱包担当者、組立ライン工、工作機械工および衣料製造者、建設労働者、清掃および家事担当者などである。

プログラムの責任者であるHSEのエリザベス・ジンゲルは「企業にとっては、労働者を治療し、復職を手助けする方が、退職させるよりはるかにましです。すべての上肢障害を防止するのは不可能なことを理解しなければならず、したがって発生した事例を事業者が適切に管理することが重要なのです。新しい指針は、そのための方法を示しています」

Upper limb disorders in the workplace(職場における上肢障害)」(HSG60(改訂版)ISBN 0-7176-1978-8)は9.5ポンド、オンラインで「http://www.hsebooks.co.ukに注文するか、HSE Books, PO Box 1999, Sudbury, Suffolk, CO10 2WA, Tel: 01787-881165に注文して入手できる。


王立災害防止協会(RoSPA)2002年総会の3日目に当たる5月15日、ロビンス研究所のピーター・バックル所長が筋骨格系障害(MSD)の発生について発言し、「筋骨格系障害予防のための新たなアプローチ」の内容を検討する。詳しくは「www.rospa.com」を参照。