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トリクロルエチレン:カテゴリー2の発がん性物質

資料出所:The Royal Society for The Prevention of Accidents(ROSPA)発行
「OS&H」|2002年5月号 p.7
(訳:国際安全衛生センター)


「トライク」と通称されるトリクロルエチレンが、今回EUによって、がんを発症する可能性のあるカテゴリー2の発がん性物質に分類された。この溶剤は、主として金属部品洗浄用の蒸気脱脂タンクで使用されており、使用しているのは小規模企業が多い。

しかしトリクロルエチレンは禁止物質ではなく、脱脂作業にはこれ以外に選択肢がない場合もある。

最近発表された「HSE Engineering Information Sheet(HSE工学情報シート)」第34号は、経営者に今回の分類の意味、トリクロルエチレンの使用者がとるべき対策を助言している。トリクロルエチレンの使用者は、代替溶剤の使用または洗浄方法を検討する必要がある。それができない場合、可能なかぎり脱脂工程を密閉する。現在使用されているタンクのほとんどは、上部が開放されている。これらは禁止されてはいないが、適切に扱うよう注意しなければならない。Envirowiseが無料で配布している「GG15 Vapour Degreasing」の適切な実践に関する助言に従うべきである。

脱脂タンクの状態や作業工程が不適切な場合は、溶剤を変えるだけでは不十分である。代わりの溶剤を使用しても、保守管理が不十分なプラントで、不適切な作業工程を続けていれば、労働者を別の高水準の有害物質にさらし、逆にリスクが高まるおそれさえある。

EIS34は、「http://www.hsebooks.co.uk」でのオンライン注文、またはHSE Booksで入手できる。