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中皮腫の死亡統計
Mesothelioma deaths statistics

資料出所:The RoSPA Occupational Safety and Health Journal
「OS&H」|2003年7月号 p.8
(仮訳 国際安全衛生センター)



 安全衛生庁(HSE)は、英国における職業性中皮腫による死亡に関する最新の統計を発表した。統計は、異なる職業グループから得た中皮腫の死亡リスクの状況を、全ての職業における中皮腫の平均リスクと比較している。

 男性と女性をあわせた総平均リスクは非常に異なるため、男女別に編集されている。統計は、1981年を除く1980年から2000年迄の20年間に起きた死亡を基にしている。また、統計には、この期間に渡り、相対的な職業上のリスクの変化についての評価も含まれている。

 男性が中皮腫にかかる危険性が最も高い職業は、金属メッキ業(造船業を含む)、乗物の車体組立(客車や機関車の組立も含む)であった。確認されたその他の高いリスクの職業の多くは、建設業関連である。

 中皮腫を発症した男性の総数は、1980〜85年(1981年は除く)の2,317人から1996〜2000年の6,475人へとほぼ3倍に増加した。しかし、ほとんどの場合において、職業グループ全体における中皮腫による死亡者数の割合は、長い間変化していない。
 
 男性に比べ、女性の死亡者数ははるかに少ない。一般的に、年間の中皮腫による死亡のうち女性は、およそ15%である。従って、職業グループ内での事例が少ないことによる統計的なばらつきがあるため、女性に関する結果は信頼性の低いものである。
 
 女性にとって比較的高いリスクと特定された職業は、金属メッキ業、化学薬品業(加工も含む)、プラスティック業の労働者、そしてその他の職長や労働者(工場労働者を含む)である。
 
 概して、アスベストに最初に暴露してから中皮腫が発症する迄に15年から60年の年月を要するが、徴候が現れてからは1年から2年で必ずと言っていいほど死に至る。従って、最近の中皮腫による死亡は、1970年代、又はそれよりさらに数十年前の過去の労働状況を反映しているといえる。統計からは、各々の職場で現在働いている人に及ぶ危険は、読みとることはできない。
 
 HSEの疫学医学統計局 (Epidemiology and Medical Statistics Unit)の統計学者、Damien McElvenny氏は、次のように述べた。「統計の数字は、男性にとって最もリスクの高い職業は、造船業、鉄道技術、絶縁材関係の産業のような過去にアスベストを工業的用途でかなり使用していた産業である、という以前発表された結果を裏付けている。」
 
 統計はHSEのウェブサイトhttp://www.hse.gov.uk/statistics/causdis/occ8000.pdf から入手できるファクトシートに掲載されています。もしくは下記迄、コピーをお申し込み下さい。
Epidemiology and Medical Statistics Unit, HSE
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