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承認された印刷作業者と膀胱ガンリスクの関係
Print worker's bladder cancer risk recognised

資料出所:The RoSPA Occupational Safety and Health Journal
「OS&H」|2003年7月号 p.11
(仮訳 国際安全衛生センター)



イギリスの印刷業組合GPMU(Graphical, Paper & Media Union)は、印刷作業者が職業性膀胱ガンにかかる可能性があることを、Benefits Agency(給付機関)に承認させたという、特筆すべき勝利を納めたと発表した。

彼等は、GPMUの議会代表である下院議員のTerry Rooneyが設定したNick Brown大臣との会議を受けて、この問題に関してキーとなるガイダンスを書き直したと述べた。

ガイダンスは、次のような重大な警告を出している。「現在、印刷業界で使用されているインクや染料は、ベンジジンやPD C23(注1)に関係するといわれるその他の化学薬品を含有する可能性がある。それらは又、4-アミノビフェニルによって汚染されている可能性があるが、通常このような汚染を確認することは不可能である。このような場合には、起こりうる可能性との兼ね合いで、指定が受け入れられるべきである。」

又、ガイダンスが指摘するところによると、類似した名前を持つ2つの製品は同じ化学成分を含み、1978年迄、新聞、フレキソ印刷(注2)、その他のインクに使用されていたことが知られている。

GPMUは、膀胱ガンと診断された印刷作業者に地域のBenefits Agency(給付機関)に行き、様式BI100B 「職業性疾病のための労働災害障害補償(Industrial Injuries Disablement Benefit for an Industrial Disease)」で申請するようアドバイスしている。

1979年以前に印刷業界で働いていた人々は、最も補償申請に該当する人々であり、GPMUの職員は、支部と連絡をとるべきである。


(注1) PD C23 --- Prescribed Diseases(労災補償の対象として指定された疾病)のうち、尿路の上皮性内層(腎盂、輸尿管、膀胱及び尿道)の原発性腫瘍(乳頭腫、上皮内癌及び侵襲性癌を含む)。膀胱又は尿路の内層における癌腫の形状のものを含む。
(注2) フレキソ印刷  --- 版輪転印刷の一種