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閉塞空間における死 : HSEの警告
Confined spaces deaths : HSE warning

資料出所:The RoSPA Occupational Safety and Health Journal
「OS&H」|2003年6月号 p.3
(仮訳 国際安全衛生センター)



 ここ数ヶ月に起きた閉塞空間内での一連の事故に続き、この4週間の間に起きた4人の悲劇的な死亡事故について、HSE(イギリス安全衛生庁)は、閉塞空間の危険性の重大さを事業者に認識してもらうために警告を出した。ごく最近起きた死亡事故のうちの3人は2つの別々の事故によるもので、酸素欠乏が原因であり、その他の1件は極めて可燃性の高い液体の使用が原因であった。

 HSEの検査官であるGraham Watson氏は、以下のようにコメントを発表した。「死亡は、閉塞空間に入ってまもなく起きたと考えられている。このことは、閉塞空間における危険性は、中に入っている時間がどんなに短くとも、致命的な結果に至る可能性があることを強く裏づけている。」

 低酸素レベルは、密閉されていた容器内での発錆の進行や、溶接過程における不活性ガスの使用によるものと考えられる。このほかの酸素欠乏環境の原因にも注意を払うとともに、事業者は、以下を含む閉塞空間に伴うその他全てのハザードを考慮しなければならない。
  • 可燃性物質と酸素濃度を高めること
  • 有毒なガス、煙霧、又は蒸気
  • 流れ込んでくる液体により、人が害を受ける可能性がある危険性
  • 穀類のような固形物の流入
 その他最近の閉塞空間での事故には、次の様なものがある。
  • 建設現場のテントで囲われた中で2人の従業員が、ガソリンを燃料とするロードカッターを使用中、一酸化炭素に襲われた。
  • 2人の塗装作業者が、閉塞空間においてブラシで溶剤ペンキを塗布中、塗料の煙霧に襲われた。
 事業者は、閉塞空間に入ることを避けられない場合は、以下の事項を実施しなければならない。
  • 閉塞空間に入ることに伴うリスクの評価を実行し、安全な作業システムを作成する。
  • その仕事に適任で、適切なトレーニングを受けた従業員のみを閉塞空間に入らせる。
  • 閉塞空間の大気が、呼吸をするのに安全かどうかを事前に検証する。
  • 必要な換気装置を用意する。
  • 適切な救出の手段を講じる。