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喘息を診断する
Diagnosis asthma

資料出所:The RoSPA Occupational Safety and Health Journal
2005年5月号 p.34

(仮訳 国際安全衛生センター)



 2004年3月、ロングブリッジに拠点を置く自動車メーカー、パワートレイン社 (Powertrain Ltd)は、操業内容が職業性喘息を引き起こす可能性のあるどの企業にもまして最悪の悪夢に直面した。労働関係の肺疾患の症例の疑いがある者が従業員1200名のうち450名に及ぶことから、安全衛生庁(Health & Safety Executive: HSE)が介入を開始したのだ。職業性喘息が使用者と被害者の両方に与える実際の損害について、Elizabeth Gatesが考察する。

 パワートレイン社の従業員で職業性喘息もしくは外因性アレルギー性肺胞炎(EAA)と診断された者が、2004年9月までに73名いる。また、輸送一般労働組合(Transport & General Workers Union)の地区事務局のJohn Walsh氏によれば、この集団発生で発症している組合員の数は2005年2月までの時点で職業性喘息が47名、EAAが18名であることが確認されている。これに対する賠償請求の準備を組合弁護士が進めている。
 科学的研究が継続しているにも関わらず、当初は微生物が非常に疑わしいとHSEは考えていた(金属加工機械が稼働する際にミストまたは蒸気の中に存在する微生物が巻き上がってくることで喘息や肺胞炎が引き起こされることが知られている)。HSEが一番の優先順位をおいたのは、ロングブリッジ工場に労働者の保護を確実に行わせることであった。
 そこで、HSEの監督官がパワートレイン社に対して三つの重要な通告を行って迅速な行動をとった。パワートレイン社は、MGローバーグループの一員であり、この地域では主力の使用者である。HSEは、同社が金属加工機械と加工油の浄化と監視の方法を直ちに強化することを強く要求した。また、フェースマスクや呼吸用保護具といった個人用保護具を備え、金属加工油にばく露した従業員全員に対する健康調査監視プログラムを確立することをパワートレイン社に要求した。
 パワートレイン社は製造工程と手法の大規模な調整といった対応をとり、2004年10月末までに同社はHSEの当初の要求をすべて満たした。
 Walsh氏によると、パワートレイン社の問題は、現状に満足しきっていることに伴う危険を浮き彫りにし、用心の必要性を具体的に示したものである。氏は次のように述べている。「この大発生はそれまでに見られなかったものだ。その数の多さは、過去に匹敵するものがないほどだ。しかし、これによって我々は、同種の企業に対して警告を発し、同じようなことをもう繰り返さないという教訓を得た。」
 HSEが出した数値が、この問題の大きさを示している。
  現在15万人の人が職業性喘息に罹っている。
  この数は毎年1,500から3,000人ずつ増えており、労働による喘息悪化も含めるならば7,000人ずつ増えていることになる。
  2004年9月、英国労働衛生研究基金(British Occupational Health Research Foundation)が科学的根拠に基づき、「職業性喘息の予防、同定、管理のガイドライン(Guidelines for the prevention, identification and management of occupational asthma)」を発表した。就労年齢の成人における喘息症例の9%〜15%には労働因子が関与しているので、このガイドラインでは、就労者に職業性喘息のリスクが高い産業を特定している。そうした産業としては、製パン・製菓業、食品加工業、林業・木材業、化学工業、金属工業、溶接業、看護、動物を扱う職業などがある。
 また、この疾患に接触する人々も未来が悲惨なものになる可能性がある。職業性喘息は、喘息の種類の中でも唯一、予防が容易なものであるにも関わらず、この報告書によれば、罹患労働者のおよそ3分の1が診断後、解雇されたり就職できないままでいる。労働に復帰できた者でも、法令でばく露部署からの異動が法令で義務づけられると、技能が要求されない部署に回されたり、給与の面で不利益を被るようになる。障害があると、早期退職が余儀なくされることもあり、場合によっては職業性喘息で死に至ることもある。
 法令で義務づけられた労働者保護策も、誰にでも等しくいきわたるわけではない。専門家が容易に認めるように、多くの場合、労働衛生の支援がきちんとしている大企業のほうがはるかに良い結果に終わる。HSEの労働衛生スポークスマンであるKimberley Huggins氏が次のように語っている。「工場が小さいほど、その所有者や管理者が問題を認識していない傾向がある-仕事に追い回されているからだ。労働組合の安全衛生代表の恩恵を受けていない労働者は、全般的に保護を受ける程度が小さいことが我々の統計で示されている。」
 こうしたばらつきによる影響は明らかである。職業性喘息が脅威になりうるいずれの産業においても、労働衛生機能(根拠に基づいたグッドプラクティスの伝達など)がきわめて重要だが、これは労働衛生安全サービスが適切に提供されていることに大きく依存する。
 一例として、喘息の原因になる金属加工油(パワートレイン社で示されたように)が自動車製造業で用いられているが、航空業界といったその他の産業でも使用されているので、HSEは現在、ガイダンスを「金属加工油を用いる労働の安全(Working Safety with metalworking fluids)」という小冊子(HS (G) 231)にまとめて、広報に努めている。しかし、HSEは、害を受けやすい各部門において、労働安全衛生(OHS)の助言を簡単には得られない企業に対してメッセージをいかにして伝達するのかその方法を考えざるをえない。
 問題となる事例のひとつが、零細な自動車修理業である(その一部は常に多忙をきわめていることが特徴になっているようである)。もっとも被害を受けやすいスプレー塗装工に対しては、HSEはすでに、「早期の喘息症状が出るまで待っていてはいけない。そうなってはもう遅い!」という警告を記した、事業者向けのわかりやすいイソシアネートに関する情報カードを用意している。また、2005年4月に始まったMVR安全衛生意識デー(SHADS: Safety and Health Awareness days)プログラムなどの様々なキャンペーン(特別な喘息関連ウェブサイトに一覧がある)の開催にも頼っている。
 製パン・製菓職人が二番目に被害を受けやすいグループを形成しており、症状の現れ方が多種多様である。
 スライスパン、袋詰めパンの企業の有力10社が構成しているパン製造業者連盟(Federation of Bakers)の会長であるJohn White氏の説明によると、「我々の加盟企業は予防に多大な投資ができるだけの十分な体力を持っているので、職業性喘息は非常に稀にしか起こらない。製造工程では、喘息の原因になりうる小麦粉ダストが出ないようにする様々な工学技術が用いられている。例えば、ミキサーには蓋が付いており、材料はポンプで注入されて作業員がばく露しないようになっている。添加物も液体の形で添加されるので、ばく露が抑制されている。」
 ベストプラクティスを伝達するのは、こうした「巨大」企業との間では比較的「容易」である-それに比べて、もっと生産量が小さい企業の場合にははるかに困難になる。このことは、全英パン製造職人協会(National Association of Master Bakers)の衛生安全担当役員であるChris Dabner氏も認めている。しかし、たとえ零細な手作り製パン業者を多数抱えていても、この協会はガイダンス伝達のために、洗練された次のような仕組みを開発した。健康調査票の見本を協会が印刷し加盟者に送付する、月報にメッセージを繰り返し掲載する、加盟者を一堂に集めた年次大会でグッドプラクティスを議論し共有する、などである。
 Dabner氏はさらに次のように述べた。「問題は、業界を担っている3つの労働組合のいずれにも属していない零細な手作りパン屋にメッセージを届けることなのだ。」
 Dabner氏は、現行の監督制度では教育の部分が欠けている点についても懸念を表わしている。氏が言うには、HSEが多数のパン製造業者に関与することは滅多にない。また、地方の監督官が小規模の手作りパン屋を定期的に監督するとしても、「せいぜい1年半に1回程度」であり、時には担当官が安全衛生ではなく食品衛生の問題のほうに焦点をしぼることもある。そうした場合には、職業性喘息予防に関する助言がきわめて手薄になることもある。
 王立ブロンプトン病院(Royal Brompton Hospital)に本拠を置き、Anthony Newman Taylor教授が長を務める英国労働衛生研究基金(BOHRF)研究作業班は、2004年9月に報告書を発表した。教授は、イソシアネート、小麦粉、穀類、グルタルアルデヒド、木くず、ゴム、ハンダ/松やに、動物蛋白質、樹脂、にかわなどの職業性喘息の原因になるものへのばく露を減らせば、喘息は予防できることを唱えつづけている。排除や代替が重要ポイントである。喫煙、行動、遺伝といった個々人の危険因子が、喘息が避けられないことを示している場合であっても、これは当てはまる。
 さらに教授は続けて、組織の予防策が成功しなかったり備わっていなかったりして労働者に病状の発現が見られた場合に次に問題になることが診断と治療の素早さであると付け加えた。BOHRFの報告書の指摘にあるように、早期に診断と治療が行われなければ、この疾患はより長期にわたって持続し、患者の状態は顕著に悪くなる。その反対に、喘息を早期発見すれば、治癒させるのも可能になる。

認識のなさ

 だが、あるべき姿に比べて、こうした理想的な展開はめったに見られない。例えば、Andreanne Thomasが地方自治体職員として経験したことが教訓になる。
 1997年、彼女はロンドンのタワーハムレッツ(Tower Hamlets)社会福祉局で事務官として勤務していた。リスク評価や個人用保護具の整わない中、彼女は児童監督事例に関する書類の整理のために、地下倉庫で働かされていた。書類の中には、法的必要条件に従うために75年前に遡るものもあった。古びて埃だらけの書類の中には、茶色の胞子がびっしりと覆っていて、さわると粉が舞い上がるものもあった。彼女はそれを吸い込み、やがて症状が現れた。その症状を彼女のかかりつけ医は、喘息リスクの存在のことを知らずに、「軽度の喘息」と表現した。
 彼女はその後、社会福祉局から教育局に異動し、そこで極度の湿気にばく露した。彼女は2か月に一度、胸部感染に罹るようになったが、この時点で提示された労働衛生上の支援は、病欠の助言だけだった。議会事務局が再編される際、彼女は病欠記録を理由に余剰従業員解雇を受け入れるように強制された。「事務所の湿度を下げる空気清浄機を購入するよりも、私を首にすることのほうが容易だったのです」と彼女は付け加えた。
 今では喘息は彼女の生活の一部になっている。「もう二回も入院しました。発作が起きると死ぬかもしれないという考えがいつも頭をよぎるのです。」
 「これは私のすること、しないことにいろいろ影響を与えています。私は食事をしに外に出かけることができません。タバコの煙が耐えられないのです。人に会いに、冬の暗い中を外出することができません。夏の暑い中もだめです。春はいいんですが、秋はだめな時もあります。空気の質が重要なのです。私たちが暮らしているロンドンのイーストエンド地区は排気ガスがとても酷いので、私の健康状態では歩くことができません。おかげで体重が増えてしまい、なんの良いこともありません。」
 「引き金になるものが、未だに全部は判明していません。7年経った今でも、不意を突かれることがあります。例えば、この前はある種類の家庭用洗剤で発作が起きることが判りました。ですから、私の家はちゃんと掃除が行き届いていないのです。」
 「上の階に上がることがますます難しくなってきています。私は劇場に行くのが好きなのですが、上に行かなければならない特等席に座ることができません。私はいつも端っこの席に座るようにしています。もし何かで発作が始まったら、咳でむせ返ることがあるからです。」
 「しかし、私をもっとも憤慨させるのは、人々の理解が実に乏しく、実に簡単にあしらわれる点です。自分は喘息持ちだからやめておくなどと私は言ったりしていません。私が何かをしないのは、したくないからでなく、できないからなのです。」
 Thomas夫人は現在43歳で、医師が示す無知ぶりにすっかり落胆している。この問題は普遍的だ。使用者が提供する労働衛生面での支援を利用することができない労働者は、自分自身で医師に診てもらいに行かなくてはならない。そして、その場で彼らが遭遇する理解と共感の程度は実に様々である。
 そのため、HSEの援助を受けて作成された2004年BOHRF喘息ガイドラインは、産業医、産業看護師、使用者に対してだけでなく、一般診療の医師や看護師をも対象にしたものになっている。

早期診断

 プライマリケアチーム(初期診療を行う医療チーム)に対して強調されるメッセージは、ここでも早期診断(そして職業性喘息の専門家による確認)が不可欠だということであり、ガイドラインには関連性のある職歴がすべて明らかになるような質問票が用意されている。しかし、一般医に対しては、適合する履歴のみに頼って診断すべきでないという警告がされている。感作した人に存在する抗原を判定するには、肺機能検査、皮膚針試験、血液サンプル試験のいずれもが必要である。また、同じ症状を持つその他の従業員に対しても、使用者とその安全衛生担当者を交えて、(たとえ医学的守秘義務があっても)、同じように調査の対象にしなければならない。「全方向の良好な協力体制が、全体として喘息という弊害を減らすことに役立つ」ということが結論付けられる。
 Thomas夫人のような労働者が遭遇するプライマリケアチームの無知は、リハビリテーションにまで広がる。BOHRFのガイドラインが示しているように、リハビリテーションの実施は遅いよりも早いほうが効果が最大になる。ここでも、不幸な二極分裂が依然として残っている。
 大企業では、労働衛生担当者が配置転換に関心を持っているので、そういった大企業の従業員が職を失うことはめったにない。中小企業の経営者にも雇用を維持したいという気持ちはあるだろうが、時としてそれは不可能である。
 全英パン製造職人協会のChris Dabner氏が次のように話している。「小規模の会社では、抜本的な再構築をしなければ配置転換をすることが難しい。会社は単に解雇するのではなく、熟練パン職人を雇いつづけていたいと思って、できる限りの手を尽くしている。熟練職人は貴重な存在なのだ。しかし、職業性喘息が確認されたならば、そのパン製造業者ができることは、自分の会社の中でできることに限定されてしまう。例えば、パン生地職人が菓子製造を担当するといった具合だ。その会社の規模に応じて、会社はフェースマスクの用意や換気の改善など、場合によってはやらなければならないことが増える。」
 BOHRFのガイドラインには、喘息罹患者のリハビリテーションを援助する原則が含まれている。Newman Taylor教授によれば、結局のところ、早期診断による最良の効果とは、従業員の雇用が維持され、(労働関連の症状が発現してから1年間以内に)原因物質に二度とばく露されないようにすることである。

中小企業の労働者

 ケンブリッジシャー州に居住する指物師のEric Beetonが、自身の経験を最初に語ったのは『アレルギー(Allergy)』誌だった。その話に、職業性喘息に罹った中小企業労働者の管理に関する重要な原則のいくつかが具体的に示されている。たとえ小規模な会社であっても、雇用の維持と緊密な協力が可能なのだ。
 Beeton氏は50代後半で新しい会社に入社し、カナディアン・レッドシーダー(米杉)で物置小屋やバンガローを作る仕事に就いた。しかしやがて、彼が言うには「呼吸をするのがひどく苦しくなってきたので医者から噴霧式吸入器を与えられました。このようなことはそれまでにありませんでした。私はそれまでずっと木材相手に仕事をしてきたのです。」
 その後、彼は本誌にこう述べている。「そもそもの事の始まりは、HSEから来訪者が来たことでした。彼らの活動範囲はそう広くないので、それが数年間で初めての訪問でした。その監督官は現場にやってきて、我々の状態がよくないこと、つまり呼吸困難であることを発見しました。そこで、その監督官は仲間とともに翌日再びやってきて、ダスト排出システムをすべて検査しました。ですが、どれも基準を満たしていました。私の同僚の一人は27歳の若者でしたが、彼も私と同じ症状を持っていました。でも、私のほうがひどいように思えました。そこで監督官は私たちをアデンブルックスにある労働衛生局に評価のために紹介し、分析のために標本をロンドンに送りました。」
 ロンドンの王立ブロンプトン病院でさらに詳しい診断検査であるブロンプトン式誘発試験(Brompton Challenge test)が行われた。 Beeton氏の説明によると、「防塵構造のブースの中で、症状の原因となりそうなありとあらゆる種類の物質にばく露させます。彼らがシーダーを試したところ、私は具合がひどく悪くなったので、もう二度とシーダーを使うことはできないと言われました。裁断されたものを扱うことができません。角材のときはいいのですが、それを裁断すると直ちに保護剤を含む蒸気が空気中に放散されます。それが原因だったのです。私は呼吸用保護具を装着しましたが役には立ちませんでした。判明したように、原因になるのはダストではないからです。」
 診断と治療の全体を通じた特長のひとつが、関係者同士の卓越したコミュニケーションである。ブロンプトン式チャレンジ試験の看護師、アデンブルックスの労働衛生局、そしてBeeton氏のかかりつけ医といった治療陣の全員が、お互いに連絡を取り合い、HSE監督官および Beeton氏とその使用者に情報を提供した。その最終結果として、Beeton氏は職を失わずに済んだ。
 氏は次のように説明する。「私のところの社長は最後にはすっかり同情してくれました。でも最初はどうしてシーダーで私の具合が悪くなるのかが理解できませんでした。どうも彼は飲み込みがやや遅いみたいなのです。私のほうもそうですけどね。とにかく喘息になった2人のうちの1人が私というわけです。社長は我々2名、つまり若者と私の2名をシーダーから離しました。でもそれが元ですこしトラブルが起きました。会社の規模が小さいほど、起きる混乱が大きくなるのです。社長はシーダー製造業の下請けをしなければなりませんでした。でも私は会社が私の面倒を見てくれたやり方に文句を言うことはできません。私には彼らの立場が常に解っていました。我々はずっといい関係を続けています。」
 王立ブロンプトン病院による定期診察はまだ続いているが、Beeton氏は喘息がずいぶんよくなったと感じている。彼は早期退職もせず、給与面でも不利益を被っていない。
 罹患した従業員は、ボランタリーグループで慰めを得られることもある。例えば、2004年には全国で510万人の喘息罹患者のために、英国労働組合会議(TUC)をはじめ、HSE、英国ボルボ自動車(Volvo Car UK)、ロンドン地下鉄に至るまでの広範なパートナーからの支援を受けて、慈善団体の英国喘息会(Asthma UK)が職場憲章(Workplace Charter)を出した。

詳しい情報

 喘息についての独立した信頼できる助言を受けるには、英国喘息会の電話相談に連絡してください。そこでは喘息専門看護師が待機しています。平日は午前9時から午後5時まで、電話番号は08457 01 02 03 です。または電子メールでasthma.org.uk/advicelineの喘息専門看護師に連絡ください。喘息の最新ニュース、情報と広報については、英国喘息会のウェブサイト www.asthma.org.ukをご覧ください。
 アレルギー一般の情報については、『アレルギー(Allergy)』誌をスーパーマーケットや新聞店で購入するか、www.allergymagazine.comで購読してください。この雑誌は、慈善団体の英国アレルギー会(Allergy UK)と共同で発行しています。
 

職場憲章(Workplace Charter)の要点
  1. 何人も職場で副流煙を吸わされてはならない。
  2. 従業員は、職場で喘息の引き金からの合理的な保護を与えられていなければならない。
  3. 喘息を持つ従業員は、自分自身の状態について理解している必要がある。
  4. 従業員は、職業性喘息の原因から保護されていなければならない。
  5. 職業性喘息を発症している者は、直ちに保護下に置かれる必要がある。
  6. 職業性喘息の特定には、健康調査がきわめて重要である。
  7. 従業員は、正しい援助を即座に求めなければならない。
  8. 迅速な診断と治療が不可欠である。
  9. 従業員と使用者は、情報を交換しあう必要がある。
  10. 従業員は、喘息を持つ人の援助の方法を知っておかなければならない。

憲章の要点が高々と掲げているのは、いわば、喘息と戦うためには従業員教育がいかに大切かということである。この憲章が警告しているように、概して90%は予防可能な死亡を防ぐためには、従業員は自分自身や同僚に見られる症状を認識できなければならない。職場憲章では英国喘息会の喘息発作カードの写しをすべての救急箱に常備しておくように指示している。そして喘息にかかっている者に対しては、発作が来た時の行動計画を立てておくように指示している。


発作が起きた時には
  • 青の吸入器(緩和装置)を使用する
  • 身体を起こして座り、体を締め付けている衣服を緩める
  • すぐに改善しない場合は、毎分1吹きを5分間又は、症状が改善するまで使用する
  • 5分経っても症状が改善しない場合、または疑わしい場合は、救急車か医者をすぐに呼ぶ