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はしごの安全対策

(NSC発行「Today's Supervisor」 2001年11月号 p.10-11)
(訳 国際安全衛生センター)


エリン・フィグの報告:

現在はアリゾナ州テンペに住む28歳のエイミー・リンドさんは、数年前自分の身に起こったはしご事故については、今でもよく覚えています。彼女は、その時ニューヨーク州北部の"夫婦だけで営む映画館"で働いていた。映写室に行くには、どこでもそうだが、入場券のもぎり場と出っ張ったポップコーン機の間にある売店の後ろ側のはしごを、従業員は登って行く必要があった。彼女によれば、はしごはこう配がきつく、年代が経っており、手すりもなく、粗末なものであった。「はしごの踏み段は、映画館特有のべとべとした汚れで固まっていた」と彼女は身を震わせていう。

お分かりの通り、彼女は映画をスタートさせるため、急いではしごを登ろうとして、その汚れたはしごから滑り落ちたのです。そして下まで滑り落ちるまでに、はしごの踏み段全部に自分の頭をぶつけるはめになった。頭にできたこぶは一週間以上消えなかった。

はしごは、一見目立たず、恐れを感じさせるようには見えないが、他の器具と同様危険なのものなのです。不安定なはしごが倒れてくると、はしごを使っていた人や何の罪のない傍にいた人をも、危険な目に陥れる可能性があります。はしごの使い方を間違えると、バランスを失って、落ちてけがをするはめになりかねない。古くてガタガタになったはしごは、前には支えることが出来た重量をも支えることができなくなるでしょう。



はしごをよく見ること:

もしあなたがいま、はしごを使っているなら、次の事を自問してみて下さい。
  • そのはしごは、よい状態にありますか?
  • 傷んでいる様子はありませんか? 長い期間、ずっと外に放置されていませんでしたか? はしごのボルトとナットは、ゆるんでいないかチェックしましょう。はしごの踏み段は、ぜんぶそろっていますか? これらに問題があれば、新しいはしごに取替える時期にきていることを示していますと、米国はしご協会 (America Ladder Institute) の常務理事であるロン・ピエトザック氏はいう。彼によれば、はしごを限界まで使おうとすることが、よく見られる事故原因のひとつである。
  • 「はしごが傷んでいる様子が見えれば、まさかそのはしごを使うとは考えられないのですが、実際には使うことが多い」
  • そのはしごには、米国規格協会(ANSI)の証明書がついておりますか? もしついていれば、あなたはよいはしごを手にしているとピエトザック氏はいう。この信用のおける協会の証明書がついているということは、厳しい検査と一連の細かい安全試験をパスしたことを示しています。
  • あなたは、自分の仕事にあったはしごを使っておりますか?


はしごには、単純な踏み段式のものから、丈夫な金属製の繰出しはしごまでいろいろな種類のものがあると、"ホームデポ"の広報課のジョン・シムリー氏はいう。はしごには、その種類によってそれぞれ、使い方と安全に使う手引が異なっている。踏み段式のはしごは、固定式ではなく、アルファベットのAのように開く。これは絶対に壁にもたせかけるとか、何か他のものにもたせかける必要がある長さ調整ができる繰出しはしごと同じように使ってはいけません。踏み段式はしごを使う時は、一番上から2番目以上の踏み段には登らないようにと、彼は助言する。絶対に一番上の踏み段上で立ち上がってはいけません。踏み段式はしごには、普通、物がおける踊り場がついている。絶対にこの踊り場の上に登ってはいけないという。ばかげた助言のように思えるが、そうする人が消費者の中にはいるのです。

繰出し式はしごは、適切な角度で、もたせかける必要があります。シムリー氏によれば、垂直面から15度が理想的。はしごの一番上は壁面にしっかり当てなければならない。そうしなければ、はしごを登る人の体重の揺れで、はしごが動いてしまう危険性があります。


はしご事故を防ぐ方法:


あなたが使うはしごがどのタイプであれ、はしご事故を防ぐために、どのはしごにも適用できる方法を紹介します。

  • ひとつのはしごには、一度に二人以上登らない。よく電気技師が使う一人以上の人が登れる特殊なはしごでない限り、このことを必ずまもること。
  • 近くの危険物に注意する。屋外ではしごを使う場合には、電気・ガス・水道などの配線・配管に注意するようにと、産業用はしごではアメリカで最大の供給者である”グリーンブルはしご社”のChief Operating Officerであるトム・グレコ氏はいう。もし可能なら、それらの配線・配管をすべて止め、アルミでなくガラス繊維製のはしごを使うのがよい。
  • はしごの一番上では、立ち上がらない。あなたが使うはしごの種類に関係なく。必ず守ること。
  • はしごを水平面にセットすること。
  • あなたがはいている靴がぬれていないか確認する。「はしごの踏み段にすべり止めがほどこされていても、ぬれた靴ではそれは役にたたない」とシムリー氏はいう。「あなたは、あの三人ピエロのうちの、一人のように、はしごからまっさかさまに落ちるはめになる。あなたはそんなピエロになりたくないでしょう」。
  • あなたの体重をチェックする。たいていのはしごは、どれだけの重量に耐えられるかで、類別されている。この限界を越えてはいけません。
  • もし、はしごが傷んでいたら、新品を購入する。そして新品を購入する際には、安全なものにお金を出すこと。
  • 品質には決してけちらない。「あなたの命の値段はいくらですか?」とグレコ氏は問う。「あなたが高さ40フィートの空中にいるとしたら、一番安いはしごを望みますか? それとも一番いい品質のものですか?」
  • あまり早く登ろうとしない。急げば、あなたはバランスを崩して、地上に転落するはめになりかねない。
  • 「あなたは急ぐ理由があるかもしれない。しかしはしごから転落すれば、結局あなたは遅くならざるをえないのです」とシムリー氏はいう。

詳細情報は、下記に問い合わせて下さい。
www.greenbullladder.com
www.americanladderinstitute.org
www.electrician.com/osha_ladders.htm
(OSHA ladder standard for construction)



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