工具の安全な使い方を徹底する
Hammer Home Safe Tool Practices
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年4月号
p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)
工具関連の負傷を減らすプログラムを効果的なものにするには、工具の安全な使い方に関して5つの基本をおさえた訓練を取り入れる必要がある。具体的には、災害管理プログラムの中で以下の5つのことを行う必要がある。
- 作業に適した工具を検討し、購入する。
- 作業に適した工具を選べるように従業員を教育する(この点に関しては、作業安全分析と作業指示に関する教育が役立つ)。
- 従業員に対して工具の正しい使い方を教育し、監督する。
- 従業員所有の工具の検査も含めて工具の定期検査手順を確立し、工具を安全な状態に保つための修理施設を用意する。
- 会社所有の工具の管理手順を確立する。工具置場で工具を点検するようなシステムが理想的である。工具室や現場に工具保管のための適切な設備を用意する。
適切な工具を選ぶ
ある作業を行うのに使用できる工具がたくさんある中で、適切な工具を選ぶということは、従業員が最も安全に使用できる正しい工具を選ぶことである。
不適切な工具を使うと、ミスやけが、製品の損傷につながる。たとえば、可動レンチでもナットを締めることはできるが、サイズに合ったボックスエンドレンチやソケットレンチを使う方がよい。工具の選択は、作業の段取りや使えるスペース、作業時の地上高など、ほかの要因とも関連しあう。これらの要因も含めて、最も安全かつ効率的に作業できるような工具を選ぶことが大切である。また、工具のコストと品質も考慮する必要がある。
工具を正しく、安全に使う
監督者は工具の正しい安全な使い方を従業員に示す必要がある。従業員が選んだ工具が安全でもなければ、目的の作業に適してもいない場合は多い。たとえば、バールの代わりにスクリュードライバーを使ったり、レンチの代わりにプライヤーを使ったりすることがある。
従業員には、工具を使う前に取扱説明書を熟読してもらう必要がある。取扱説明書では、適切な個人用保護具の使用を推奨していることもある。監督者は、工具の正しい使い方はもちろん、周囲のほかの従業員に与える影響についても、従業員によく理解してもらう必要がある。工具の安全装置がきちんと機能するかどうかもチェックしなければならない。
工具を良好な状態に保つ
工具は使用前に必ず点検する必要がある。工具置場の従業員と現場で工具を使用する従業員には、使用する工具すべてについてキズやいたみがないかどうか調べる方法を教育し、問題があれば修理または廃棄できるようにする必要がある。
適切な管理は、工具を良好な状態に保つうえで非常に大切である。刃物類は刃先を鋭利にしておかなければならないし、工具はあらかじめ作成した整備計画に従ってきちんと手入れしておく必要がある。故障した工具は、メーカーの仕様を満たすような修理を施すまでは、使用すべきではない。劣化した工具や故障した工具を見つけて、これらを使用しないようにするための手順も確立する必要がある。
通常、従業員は工具の整備作業を担当しないが、従業員が整備作業を担当する場合には、整備作業についても教育、監督する必要がある。
工具を安全な場所に保管する
工具は作業現場か社内共通の工具置場に安全に保管する必要がある。特殊な工具の場合には、通常と異なる取扱方法や保管方法が必要になることもある。たとえば、火薬を使う工具類は鍵のかかる場所に保管し、この種の工具を使うための訓練を受け、しかるべき認定証を持った人物だけが使用できるようにするべきである。
|