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言葉の壁をつくらない
Don't Let Language Be the Great Divide

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年4月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)


英語をほとんど、あるいはまったくしゃべらない労働者の監督には時として困難が伴うが、安全衛生の問題に関しては、この言葉の壁を乗り越えることが何よりも必要である。
 このことを如実に示しているのが、カリフォルニアで最近行われた二つの調査である。どちらの調査でも、移民労働者は仕事でけがや病気をしても必ずしも上司に報告するわけではなく、多くの人は自分の権利と義務を十分に理解・認識していないという結果が出ている。たとえば、調査の対象になった労働者の中には、個人用保護具を提供する義務が事業者側にあることを知らない人もいた。
 一方の調査では、こうした問題を克服するうえで監督者は大きな役割を果たすことができると結論づけている。
 コロラド州レイクウッドの安全衛生コンサルタント、ジョーゼフ・S・マクファッデンは、現場の移民労働者のために監督者がするべきこととして、以下のことを推奨している。

1. 少なくとも次の英語に相当する表現を相手の母国語で言えるようにすること。
やめなさい。
始めなさい。
この作業は必ずこうやってしなさい。
必ずこれを着用しなさい。
これを使いなさい。
けが、それとも病気
イエス。
ノー。
やり方を見せてください。
まちがい。
正しい。

2. 訓練中に監督者自身が正しい保護具を着用し、保護具の脱着、調整、清掃、保管、点検の方法を従業員に確実に示すこと。

3. 従うべき規則、使用すべき保護具、与えられた作業を正しく行う方法を理解していることを、従業員から身体で具体的に示してもらうこと。

4. 仕事のやり方、適切な個人用保護具の選択・着用の方法、助けを求めたり緊急時に合図で知らせたりする方法を視覚的に伝える大きなポスターや図を用意すること。

参考
  • カリフォルニア大学ロサンゼルス校の労働安全衛生プログラムで行われた調査「Voices From the Margin」については、www.losh.ucla.eduで参照できる。
  • サン・ルイス・オビスポ郡の農場労働者を対象とした調査は、www.dhs.ca.gov/ohb/aginjury/slosurvey.pdfで参照できる。