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マニュアル・ハンドリング注)での負傷を減らす
Get a Handle on Injuries
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年4月号
p.3)
(仮訳 国際安全衛生センター)
不適切なマニュアル・ハンドリングによる負傷は、業務上の負傷全体の25%にのぼると推定される。この種の負傷は、出荷部門や倉庫部門だけに限定されない。負傷のコストを考えれば、荷などの適切な取扱方法が必要なのは明らかである。
労働者の負傷として一般的なのは、筋違い、捻挫、切傷、骨折、打撲傷である。これらのけがは、作業の条件や方法が安全でないことから起きる。たとえば、持ち上げ方が不適切、持つものが重過ぎる、つかみ方や腰・足の位置が正しくない、などである。もう一つの重要な原因は、作業の設計自体に求めることができる。現在の作業方法について以下の点をチェックしてほしい。
- 作業方法を変更することで、マニュアル・ハンドリングの工程をなくしたり、手を伸ばす・曲げる・ひねるといった動作を最小限に抑えることはできないか。
- 従業員が作業を安全に遂行できるような、機械を用いた補助的手段、たとえば適切なサイズに統一した箱、コンテナ、動力工業用トラック、ホイストなどを用意することはできないか。
- 個人用保護具や保護服を使うことで負傷を防止することはできないか。
マニュアル・ハンドリングの方法
負傷のほとんどは腰、指と手に集中しているので、労働者に対しては、重い物やかさばる物、長い物の持ち上げ方と下ろし方を教育する必要がある。注意すべき点は以下のとおりである。
- 尖ったところがないか、フチがギザギザしていないか、バリはないか、表面はざらざらしているか、すべりやすいか、などに注意して対象物をよく調べる。
- 対象物をしっかりとつかむ。
- 特に下におろすときに、床面と接触する部分から指を遠ざける。
- 材木や管などの長い物を扱うときは、端から手を遠ざけてはさまれないようにする。
- 対象物に油や水、すべりやすい物、汚れが付いている場合には、扱う前によく拭き取る。
- 手に付いた油やグリスをよく落としておく。
荷扱いでは、ほとんどの場合、グローブや革手袋などの手を保護する物を利用できる。場合によっては、対象物にハンドルやホルダーなどの取扱を容易にする道具を付けることもできる。
荷扱いに従事するときの負傷部位としては、脚部、足部、つま先が多い。これらの負傷を防ぐよい方法の一つは、つま先から中足までをすっぽり覆う足用保護具を着用することである。
目、頭、腰も負傷をしやすい。特に箱、コンテナ、管、梱(こり)から金属製またはプラスチック製のストラップを外すときに負傷することが多い。安全な取り外し方法に従うとともに、目を守る保護具、しっかりした手袋の着用を従業員に義務付ける必要がある。また、ストラップの端が自由になったときに、顔や体に当たらないよう注意が必要である。
注)マニュアル・ハンドリング---重い物を持ち上げる、移動させる、押す、支えるといった、力仕事
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