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機械と機械を操作する人間との調和
Matching Machines and Operators

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年8月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 機械の安全な運用は、危険な可動部分を除去したりカバーを付けたりすることで終わるわけではない。機械の運用から生じる潜在的危険をすべて考慮しなければならない。
 監督者は、作業場にある機械について次のような問いかけをする必要がある。
資材の取り扱いに起因する危険はあるか。
人間の動作(持ち上げる、手を伸ばす、かがむ、押す、引く)の限界は認識されているか。
既存または計画段階の防護手段は、生理的要因と人体の大きさを考慮した設計になっているか。
 生産機械とその設置場所のあらゆる形状または設計上の特徴は、その機械を人間の身体の延長とみなしたうえで、機械を扱う人間が望むことだけを実現するものとして評価すべきである。機械または装置を、それを操作する人間に調和させるには、以下の要因を考慮する必要がある。
 作業場:機械と装置は、操作する人間が行う持ち上げて移動するという動作を最小限に抑えるように配置するべきである。原料を機械に送るためのコンベアとスキッド、加工後の製品を取り出すための斜面路や重力送り装置の設置を検討する。
 作業時の高さ:作業台は、立って作業をするか座って作業するかに応じて、適切な高さにする必要がある。適切な高さはどれくらいか、どんな種類のイスまたはスツールを使うかについても決める必要がある。このとき最も大事なのは肘の高さである。一般に作業時の高さとして有効なのは、床から作業面までが41インチ、椅子の高さが25インチから31インチまでとなっている。
 制御装置:機械の制御装置とそのオン/オフを行う部分は容易にアクセスできるようになっている必要がある。機械の制御装置、たとえばダイヤル、押しボタン、レバーなどの位置とデザインは重要である。同種の機械に対しては、制御装置が規格化されている必要がある。制御装置が規格化されていれば、操作する人間が複数の装置間を行き来してもとまどうことがない。緊急停止装置は、右手でも左手でも操作できるようにしなければならない。
 資材の取り扱いを補助する装置:原材料および加工中、加工後の部品を機械に送ったり、機械から取り出したりする際のマニュアル・ハンドリングの必要性を最小限に抑えるために、補助装置を用意する必要がある。たとえば、天井吊り下げ式のチェーンブロック、ベルトコンベアやローラーコンベア、位置決め装置などの設置を検討する。
 操作する人間の疲労:機械を操作する人間が疲労を覚えるようになるのは、一般に肉体的・心理的活動の組み合わせによる結果であって、単なるエネルギーの消耗が原因なのではない。作業の過度のスピードアップ、単調な操作からくる退屈感、及びやりにくい動作又はオペレーターの姿勢も疲労の原因になる。