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職場での薬物使用の減少とメセドリン(methedrine)注)使用の増加が薬物テストで明らかに
Tests Show Drug Use Down at Work But Meth Use is on the Rise

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年8月号 p.3)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 従業員と求職者を対象とした薬物テストによると、2002年の職場での薬物使用は全体として減少したが、過去5年間で労働者のアンフェタミン(amphetamine)注)使用は大幅に増えた。
 薬物テストでは、アンフェタミンの使用率が2002年に17%増加して0.34%になり、過去5年間では70%上昇したことが示されている。この薬物テストは、ニュージャージー州テタボローの薬物テスト・サービス業者クエスト・ダイアグノスティクス社が、570万件の一般職場での薬物テストの結果と、テストが義務付けられている安全責任の高い労働者を対象とした120万件のテスト結果をまとめて公表した毎年恒例の薬物テスト指数の一部である。
 アンフェタミンの使用率は2002年に使われたほかの薬物に比べれば比較的低いが、アンフェタミンの生産が増えて入手しやすくなっているのと軌を一にして増加率は驚異的に高くなっている。陽性となった薬物テストのうち、57.6%はマリファナで陽性、14.6%はコカインで陽性という結果であった。
 麻薬取締局(the Drug Enforcement Administration : DEA)によると、特にメタンフェタミン(メセドリン)は生産量と不正取引が1990年代を通じて増加し、非合法に製造される合成薬物として米国では最も浸透したものになっているという。
 同局によれば、中毒性の強いメタンフェタミンは、一般家庭にあるもので簡単に作ることができ、地方では最も急激に問題化しつつある薬物だという。
 アンフェタミンは意識の覚醒と疲労軽減のために使われる興奮剤で、使用者は自分が力強く大胆になったような感覚を持つ。アンフェタミン使用者は、異常なまでに活動的に見えたり、饒舌、短気、論争好き、または神経質に見えることがある。
 全体としての職場での薬物使用は2002年に14年間で最も減少した。一般労働者の薬物陽性率は4.8%、連邦レベルでテストが義務付けられている安全義務の高い労働者の薬物陽性率は2.5%で、これら2つを合計すると4.4%という低い陽性率になった。

詳細については
クエスト・ダイアグノスティクス社の年間薬物テスト指数に収録されている詳しいテスト結果は、www.questdiagnostics.com/brand/business/DTI_05_2003/dti_index.htmlで参照できる。


注) メセドリン(methedrine)‐‐‐メタンフェタミン(methamphetamine)の商品名。俗称メス(meth)、スピード(speed)。日本ではヒロポンの商品名で知られている。
アンフェタミン(amphetamine)とメタンフェタミン(methamphetamine)は覚醒剤であり、覚醒剤取締法により規制されている。