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ニュース要約
News Briefs

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年8月号 p.4)
(仮訳 国際安全衛生センター)



報告書:連邦政府はアスベストを禁止し、規則の遵守を徹底させる必要がある

 アスベストをめぐる健康不安を和らげるために、連邦政府はアスベストの使用と輸入をすべて禁止し、アスベストに関する既存の諸規制をもっと徹底させる必要がある。最近公表された報告書は、こう結論づけている。
 しかしこれは将来のアスベストの危険を減らすために重要であるとして報告書が掲げている21のアクションのうちの2つにすぎない。バージニア州アナンデールの地球環境技術財団(Global Environment and Technology Foundation)は、環境保護庁(EPA)との契約の下、100以上にのぼる利害関係者と1年にわたって議論を重ね、今回の報告書を作成した。
 報告書に盛られた主な勧告は、上の2つのほかに次のとおり。
  • EPAは建物内のアスベストに関する指針を改訂し、この指針を建物内のアスベストを管理するための技術資料としてより有益なものにする必要がある。
  • EPA、OSHA等の規制当局は、アスベスト規制に対する認識を高めるためのセミナーを開催し、アスベスト規制の遵守を推進する必要がある。
  • 疾病対策予防センター(CDC)は、全米レベルで中皮腫に関する記録簿を作成する必要がある。中皮腫はアスベストへの暴露によって稀に発生するガンの一種。
 報告書の全文はwww.getf.org/asbestosstrategiesで参照できる。

管理監督者と労働者のチームワークに影響を及ぼす安全文化

 管理監督者と労働者は安全に対して一致した見解を持っているだろうか。職場での行動に関する最近の研究は、これが組織の安全に関する風土によって左右されることを明らかにした。
 研究者らによると、組織風土が劣悪である場合、管理監督者の側では職場の安全の責任は労動者にあると考え、労働者の側では職場の安全は管理監督者の仕事だと考えるという。研究者らは、管理監督者と労働者が職場の安全について一致した見解を持っていない場合には、これが重大な職場のもめごとに発展し、災害の抑制のために管理監督者と労働者がともに取り組むことができるような企業文化の確立は妨げられるという。
 研究者らによれば、これとは逆に安全に関する風土が改善すると、管理監督者と労働者は安全というものを両者の共通の努力目標として考えるようになるという。それによって災害防止へ向けた管理監督者と労働者の協力体制は強化される。
 この研究は、『Journal of Safety Research』(Vol.34, No.2)に発表された。