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作業慣行を観察する
Observing Work Practices

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年12月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 安全、衛生、及び環境の点検を行うときの一つの重要な目標は、作業慣行の観察である。すなわち、作業中の従業員が、安全、衛生、及び環境に関する具体的な手順並びに訓練上の指示にきちんと従っているかどうかを見極めることである。どのように作業すべきかを決める際、最良の指針となるのは作業安全分析(job safety analysis)である。
 NSCによれば、作業慣行を観察する際、監督者は以下の点に留意しなければならない。
機械や工具が許可なく使われていないかどうか。
設備が不安全な速度で運転されていないかどうか。
ガード等の安全装置が取り外されていたり、効果が出ないようになっていたりしないかどうか。
欠陥のある工具や設備が使われていたり、工具や設備が不安全に使われたりしていないかどうか。
危険状態で作業対象物を移動する際、従業員が工具や押し棒の代わりに自分の手や身体を使っていないかどうか。
過負荷や過密が起きていないかどうか。
従業員が資材を不適切な方法で保管していないかどうか。
資材が不安全な方法で取り扱われていないかどうか。たとえば、従業員が荷物を不適切な方法で持ち上げていないか。
作動中や圧力がかかっている状態、または荷電している状態で、従業員が設備の修理や調整を行っていないかどうか。
従業員が個人用保護具や安全装置を使っていなかったり、または不適切に使用していたりしないかどうか。
労働者の個人的不衛生によって、不安全、不衛生、不健康な状態が作られていないかどうか。たとえば、禁止区域で喫煙したり、服に付いたゴミを払うのに圧縮空気を使用したりしていないか。
吊り下げられた荷物、足場、シャフト、または開いた昇降口の下に従業員が立っていたり、作業したりしていないかどうか。

 監督者は点検の結果について、関係する従業員と話し合う必要がある。不適切な作業習慣が認められた場合には、すぐにそのことを従業員に指摘して、正しい作業方法を説明する必要がある。
 悪い点だけでなく、良い点を指摘することも重要である。監督者はこのことを忘れがちである。しかし、良い作業慣行に従っている従業員は励まして、その取り組みを無視せず、称賛してやるべきである。たとえば、「そうやっていつも使用前に工具の状態を確認してくれて嬉しい」というようなコメントは、従業員のやる気を大いに鼓舞する。また、必要があって従業員の行動を矯正した場合には、従業員のその後の作業パターンに生じた改善点を褒めてやるべきである。