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訓練を受ける従業員の関心をつなぎ止めるには Keeping Trainees Interested
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年12月号
p.2-3)
(仮訳 国際安全衛生センター)
好むと好まざるとにかかわらず、監督者は労働者を訓練する必要がある。新入社員が対象である場合も、ほかの部署から異動してきた社員が対象である場合もある。また、新しい設備や新しいやり方を全員に学習してもらう必要がある場合もある。いずれにしても、監督者は安全にかかわるメッセージを伝え、従業員の関心をつなぎ止めておく方法を工夫する必要がある。
運輸省に25年勤めたのち引退した安全とセキュリティの専門家、ビル・ハサウェイは、人には学びたいという気持ちはあるが、それと同時に教えられるのはごめんだという思いがあるという。「人は耳で聞いたことは忘れてしまいますが、自分で読んだことは覚えているし、自分がしたことは理解できるものです」、とハサウェイ。ハサウェイによれば、何時間も続けて講義しても、労働者を直接参加させないかぎりは訓練の効果は上がらないという。たとえば、労働者に消火器の使い方について講釈するだけではだめで、実際に消火器を使わせる必要があるという。
労働者を参加させるのに役立つヒントとしては、このほかにも次のようなものがある。
- 調和関係を築く。新入社員など、初対面のグループが相手の場合は、5分足らずでうまを合わせる必要がある。ハサウェイは、自分がいかに優れているかを口にするのは禁物だという。代わりに簡単に自己紹介をし、自分の経験を皆さんと分かち合うためにこれからお話をする、と言うのがよい。
- 謝らない。訓練が予定どおりに進まないからといって謝ってはいけない。監督者は信用を失い、訓練を受ける側では、自分たちはつまらない訓練を受けているのだ、という気持ちを持ってしまう。「毅然として受講者の前に立ち、あとは淡々と事を進めるだけです。そうすれば、ミスをしても受講者は忘れてしまいます」、とハサウェイは言う。
- 実際に自分が集めたデータを使う。統計的な数字をいくら示しても、受講者からは「ここではそういうことは起きないだろう」と勝手に解釈され、軽視されてしまう。しかし監督者が自分の担当部署の安全に関する統計情報を出せば、受講者がそれを無視することはむずかしい、とハサウェイは言う。学習の手段として、同じ施設内の別の部署の記録を利用することも有益である。「ほかの同僚のミスから学びなさい、いちいち同じミスをしていたら、それだけで人生終わってしまいますからね。私は常にそう言っています」、とハサウェイ。
- ゲームやユーモアを活用する。誰しも訓練は楽しくあってほしいと思うものである。それには小道具が役に立つ。使わずに済むならオーバーヘッドプロジェクターは使わない方がよい(使わなければならない場合には、1行を5ワード以下にし、1枚のスライドを5行以下におさえる)。わかりやすくて気の利いた、メッセージ性のあるユーモアを使う。ハサウェイによれば、まとめのクイズとしてクロスワードパズルを使ったこともあるという。
- フィードバックを得る。訓練する側にとってフィードバックは不可欠である。ハサウェイによれば、自分がきちんと務めを果たしたかどうかを監督者が知るには、フィードバックを得る以外に方法はない。
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