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職場の有毒カビ:あなたの職場はだいじょうぶ?
Toxic Mold: Is it In Your Workplace?

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年2月号 p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)


職場に悪影響を与える有毒カビが問題として---と同時に文字通り---広がっている。従業員の健康への影響、責任問題、そして手がつけられないほど問題(カビ)が広がってしまったときの対処費用が企業の頭痛の種になっている。
 専門家は、カビ問題に対処する際の適任者は監督者とその部下だと指摘する。ニュージャージー州プリンストンにあるEnvironmental Dynamics社のデューク・ワイザー社長は言う。「監督者と労働者は建物のあらゆる部分にいる人たちであり、何が起こっているかを実際に目で見ることのできる人たちである」
 では、監督者は具体的に何をしたらよいのだろうか。いくつかの単純な、常識的なことを実践すればよい。ワイザー社長に加え、ヒューストンにあるThe Dotson Groupのカイル・ダットスン社長は、次のようにアドバイスする。
 「湿らせない」。水がたまったり結露したりして湿度が高まると、カビが増殖する。室内の湿度は60%未満に抑える必要がある。
 「水もれに注意」。屋根や配管などの水もれを見つけたらただちに報告し、修理・保守を行う。
 「水もれを放置しない」。早い時期に対処すれば問題の芽を摘み取ることができる。カビの拡大を防ぐには、48時間以内に対処することが大切である。
 「コミュニケーションの回路をオープンにしておく」。カビに関連した従業員の不満、不安、問題の訴えに耳を傾ける。問題を報告することを従業員がためらうような雰囲気を作らない。
 「常に注意を怠らない」。カビの胞子は非常に頑固であり、浮遊する胞子を建物から完全に除去することはほとんど不可能である。ワイザー社長は言う。「カビを完全に除去することは建物の表面を全部塗り替えるようなもので、きりのない作業だ。必ずどこかが剥げ落ちる」
 監督者はカビの成長をおさえこむことができる。そうすることで、カビの大発生は防ぐことができる。これは良い方法である。なぜなら、ダットスン氏によれば、「問題はなくならず、放っておくと広がるばかり」だからだ。


もっと詳しく知るには
 環境保護庁(EPA)の室内空気の質に関する情報センター(indoor air quality clearinghouse。800-438-4318)に連絡し、室内空気の質の問題に関してEPAが出している無料の冊子、ならびにカビ問題の評価を支援してくれる無料のソフトウェア「I-Beam」を入手するとよい。
 米国産業衛生専門家会議(ACGIH)では、www.acgih.orgで有毒カビに関する情報を提供している。