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警戒の必要な化学産業
Be On Guard in the Chemical Industry

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年1月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)


9.11のテロ攻撃以来、化学製品の製造、輸送、貯蔵、取扱に携わる企業をはじめとする化学産業では、施設の安全とセキュリティを確保するために厳しい監視体制が敷かれている。
 こうした状況のなかで、監督者は以下の点を心がけるべきである。
・「より一層の意識向上をはかる」。アリゾナ州グレンデールの国際経営学大学院(サンダーバード)で国際リスクマネジメントの講座を担当するジョン・オコンネル教授は言う。化学物質の貯蔵・取扱に関しては、おそらく労働者もすでに安全に十分配慮しているはずである。必要なのは、こうした姿勢に加え、もし化学物質が攻撃に使われれば大きな被害が出るという意識を持ち、この点に注意して業務に従事してもらうことである。
・「警戒を怠らない」。労働者に対し、施設周辺で不審な行動がないかどうか目を光らせるよう求める。労働者と監督者は、施設構内や駐車場でふだん見かける人、またはクルマを運転している人を知っているはずである。見慣れない人物を見かけたら、直ちに知らせる必要があることを周知徹底する。
・「問題を伝える」。環境保護庁(EPA)のクレイグ・マシーセン上級化学技師は言う。化学物質の取扱・輸送に関して気付いた問題や、セキュリティ上のリスクになりそうな問題を発見した場合には、上層の管理者にその内容を伝える必要がある。安全管理者は大半の労働者よりも施設について詳しい知識を持っているからである。
・「事前に対策をとる」。安全に配慮しない行為、危険な行為をしている労働者を見つけたら注意をする。これは安全第一の姿勢を労働者に示すことになり、これだけで十分に損害を未然に防ぐことができる場合がある。