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労働時間規則、トラック運転手の疲労に対処
Hours-of-Service Rules Address Trucker Fatigue
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年7月号
p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)
連邦自動車運輸安全局(Federal Motor Carrier Safety Administration : FMCSA)は4月24日、1939年以来初めての労働時間規則(hours-of-service rules)の大幅な改正を発表した。今回の改正は、幹線道路の安全性の向上、トラック運転手の疲労に起因するトラック事故と事故による死傷者を減らすことを目的としたものである。
新しい規則の要点は次のとおり。
- 運転時間を10時間から11時間に延長する。
- 当番時間を15時間から14時間に短縮する。
- 非番時間を8時間から10時間に延長する。
- 34時間再開条項を除き、現行の7日間60時間、8日間70時間規則は変更しない。
新しい労働時間規則は、「科学的根拠に基づくのみならず、人命救済や操業面でも実際的なものになり、今以上に施行が複雑になることもなく、よりよく安全性を保証する」と、Annette
M. Sandberg(アネット・M・サンドバーグ)連邦自動車運輸安全局長官代行は言う。
当局で最終規則公表の動きがあってからすでに何年も経過しているが、パブリックコメントの募集期間中に非常に多くのコメント(史上最多の一つ)が殺到し、同局はこれらのコメントをすべて検討するために規則の発表を遅らせたのだ、とNSCの「(輸送上の安全」グループ(Transportation
Safety Group)レス・ソコロウスキ(Les Sokolowski)局長は言う。
「規則改正の影響は大きなものになるだろう。業界は事業のやり方をもう一度考え直さければならず、日々の業務の管理、計画、実施の方法を変える必要も生じるだろう。これらの新しい変化が実際に効果を出し、業界が変化に対応するまでの時間が経過して初めて、今回の規制が業界と安全性に与える本当の影響を理解することができる」、とソコロウスキ局長。
誰もが新規則を歓迎しているわけではない。ここ数カ月間、規則改正を運輸省に迫ってきた安全関連諸団体は、今回の改正はドライバーの疲労に対処するには不適切だ、と指摘する。ワシントン市の幹線道路・自動車安全擁護団体(Highway
and Auto Safety)のJudie Stone(ジュディ・ストーン)会長によれば、運転時間を規制する今回の規則改正は、ドライバーの疲労に対処するところまで踏み込んでいないという。
「運輸産業を除けば、今回の改正を歓迎している人などいない」とストーン会長は言う。
連邦当局は、2004年1月4日に発効する新規則によって、年間75人の人命が救われ、疲労に起因する事故1,326件を防止できると見積もる。2002年には、推定4,902件のトラック関連の死亡事故が発生した。
連邦自動車運輸安全局は、労働時間の記録保持や法の遵守を徹底するための車内搭載型電子記録装置(electronic
onboard recorders)その他の技術に関する研究を拡大するとも述べた。このような記録装置の義務付けについては、今回の規則作成の過程で検討されたが、結局、当局は反対の立場をとることにした。
www.dms.dot.govにアクセスして書類番号でFMCSA-97-2350を検索すると、規則の全文を参照できる。
労働時間規則の改正についてはこちらのページをご覧ください。
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