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労働者の目を守る照明
Keep Workers From Being Blinded by the Light

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年7月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 作業場の照明は常に作業の内容に適したものである必要がある。たとえば倉庫などでは暗い照明でもよい場合があるが、細かな視覚的作業を行う場合には明るい照明が必要である。必要な光量は、作業内容、作業をする人の年齢と視力など、さまざまな要因によって左右される。
 照明は、作業の内容が見やすいように十分明るくし、まぶしくないように向きを考える必要がある。高さは適切な視界が得られるよう十分に高くする必要がある。
 照明に関する問題で大きいのはまぶしさである。視野内に輝くものがあると、不快感を覚えたり、視覚の適切な働きが妨げられたりする。まぶしさは直接光によっても反射光によっても引き起こされる。まぶしさを防ぐには、光源を視線よりも高く離れた位置に置くか、不透明な素材で光源を覆うとよい。壁面などは、光沢のあるものやツルツルしたものより表面がツヤ消しのものの方が、反射光を和らげるのに効果がある。
 もう一つ目にとって問題になるのは、視界の中に周囲と比べて際立って明るい物体がある場合である。たとえば、暗くて光を反射しない表面のまん中に、反射率の高い白い紙が置かれている場合や、暗い、もしくは汚れた機械をバックに、明るい照明の当たった制御ハンドルや制御盤がある場合である。このような明暗のコントラストは、目を刺激することがある。これを避けるには、対象物の表面の反射率とほとんど差がない程度に周囲の表面を明るくするか、または暗くする。対象物を背景から浮かび上がらせたい場合には、色のコントラストを使うとよい。
 均一で影のない照明は理想であるが、作業によってはコントラストのある照明が必要になることがある。このような場合には、全体照明または背景照明は十分拡散してまぶしくないようにし、補助光源を対象物へ向けて、希望するような影を作るとよい。

作業場での照明のヒント

  • 作業範囲を適切な照明で照らし、過度の照明を避ける。過度の照明は目を疲労させる。
  • 光量の調節可能なブラインドを窓に付ける。
  • 労働者の視界内に直接光または反射光の光源が入らないようにする。
  • 光源すべてにかさを付けるか、光を拡散する。光は天井から反射して床に向かうようにし、床からは光が反射しないようにする。
  • 明るさが不足する場合は、手元を照らす補助光源を用いる。
  • 書面では十分なコントラストが得られるようにする(エンピツの代わりに黒インクのペンを使う、など)。
  • 小さいが非常に重要な細部はサイズを拡大する。
  • 作業対象物を作業者の視線と垂直になるように配置する。