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労働者を気づかう監督者は安全を第一に尊重する
Caring Supervisors Put the Focus on Safety
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年6月号
p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)
監督者は自分が監督する従業員からどのように思われているのだろうか。いい人と思われているだろうか、それとも陰で悪口を言われているような存在だろうか。監督者がこの2つのカテゴリーのどちらに属するにせよ、あるいはその中間のどこかに位置するにせよ、従業員が監督者に対して抱く気持ちは、監督者自身について、また監督者が従業員にどう接しているかについて、多くのことを教えてくれる。
たとえば、従業員に対して威張る監督者や従業員を酷使する監督者は、労働者の中に雇用主に対する復讐心を植え付けることが多い。
『応用心理学ジャーナル(Journal of Applied Psychology)』(Vol.87, No.6)に掲載された最近の研究によれば、軽蔑的な呼び名を使う、怒りを爆発させる、解雇をちらつかせて脅す、同僚の面前で部下に恥をかかせる、といったことをする監督者は、労働者に心理的なストレスを与えるという。その結果、労働者の方では、同僚への協力を拒否する、わずかなことでも不平を言うといった行為によって、監督者に仕返しをしようとする。
このような行為は「安全からはまったく焦点がはずれており、対人的な力関係、つまり仕返しをするとか人をねじふせるといったことが目的になってしまっています。これは人間関係をたいへん不健康なものにし、監督者はつい力で相手を支配しようとしてしまいます」。ペンシルバニア州に本社を置くトップフ・オーガニゼーション社に勤務し、ショッピングモール「キング・オブ・プルージア」の上級トレーナー兼コンサルタントを務めるトム・ボイヤーは言う。
このような状態になると、誰もが安全を脅かされることになりかねない。ボイヤーによれば、不当な扱いを受けた労働者は現場に問題があっても見て見ぬふりをし、そのために同僚が記録に残るような大きな怪我をすることがあるという。「記録に残るような大きな問題が実際に起きてはじめて監督者は呼び出しをくらうのです。つまり労働者は、監督者の記録に汚点を残すことで仕返しをしようとするわけです」
相互の信頼関係の構築
では監督者としてイメージアップをはかるにはどうすればよいのだろうか。ボイヤーによると、まず第一に監督者は管理者に味方になってもらう必要があるという。「監督者の仕事はとてもハードです」、とボイヤーは言う。何か事があれば、監督者は管理者と労働者の双方からネガティブなフィードバックを受ける。管理者は、監督者が監督者としての仕事を果たせるよう、明確に規定された安全に関するガイドラインを労働者に示す必要がある。そしてガイドラインで定められたルールの遵守に関し、一貫して監督者をバックアップしなければならない。
しかし管理者がすべてではありません、とボイヤーは付け加える。ボイヤーによれば、尊敬される監督者のパーソナリティはさまざまだが、共通しているのは一つの感情であり、それは労働者の安全を一心に願う気持ちだという。ボイヤーは、尊敬される監督者はこの感情を次のようなさまざまな形で表現しているという。
- 安全ミーティングを開くとき、本当に安全に的を絞ったミーティングを心がけ、ミーティングのテーマがほかの問題にそれることがない。
- 災害が発生したときに、労働者に対して第一に発する言葉は「大丈夫か?」である。
- 懲罰を加える必要がある場合には、力を誇示する目的からそうするのではなく、該当者に加えて全員の安全を願ってそうするのだという姿勢を示す。
「このようなことが行われていれば、現場には厚い相互の信頼関係が育まれます」、ボイヤーは言う。
このほかに監督者にできることとして、安全性にかかわる違反のうち問答無用で報告すべきものはどれかを部下に対して明確に伝える、ということがある。
ボイヤーは言う。「そのような違反を実際に明確に伝達し、これを守らせようとする監督者の下で働く労働者はたいてい幸福です。この部分がおろそかにされている場合、労働者は例外なく不幸です。労働者には自分でもそのことがわかっているのです」
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